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“女であることが”マイナスに思えた日々
写真を撮ることのおもしろさに魅かれ、国際的なモデルから写真家へと転身。以降、来年で20年というキャリアを築き上げてきた安珠さん。好きなことを職業とし、心から仕事を楽しんでいるようすだが、写真家として活動し始めたころは辛い時期もあったという。
「当時、女性の写真家は今のように多くはありませんでした。なので、女性であること自体が珍しがられていました。そして、わたしは元モデルという肩書きでしたので、特別な視線が私にはハンディに思えました。硬派な私は(笑)、女であることが、コンプレックスにさえ感じていたんです。写真に男も女もないのにすごく不思議でした。なので、女流写真家という枠では、取材を受けなかった時期もあります。男ばかりの社会で、自分が女性であることを負のエネルギーで受け止めていたんですね」
そんなときに、来日したフランスの写真家であるサラ・ムーンに相談をしたという。彼女も50年代にモデルをしていたそうだ。
「どうしたら差別されないで自分の写真を純粋に見てもらえるのか、と。すると、彼女は大笑いをしながら 何言ってるのよ、同じようにいい写真を撮っていても、それが男性だったらすぐに注目されないかもしれない。でも、あなたは女性で元モデルということで、作品を見てもらえるチャンスがあることを幸せに思わなきゃ。いい写真を撮っていれば、そのうち性別なんて関係なくなるから。外側のことは気にしなくていいのよと。そうか、そう考えるべきだった、と目からウロコでした(笑)」
あるがままの自分を受け入れて心が楽に
これをきっかけに、自分を否定する意識から開放された安珠さん。
「当時は未熟で、自意識も強かったんですね(笑)。ポジティブではあったつもりですが、 あるがままの自分を受け入れるということの意味にようやく気づいたんです。振り返ると、心の壁を作っていたのは、いつも自分自身だったと思いました。外側を意識しすぎると、自然に守りに入ってしまう。すると、世界が狭くなり、自由がなくなって、不自然な居心地の悪い環境を創り出してしまうんです」
ありのままでいれば良いと分かり、肩の力が抜けて、それからは自由に表現が出来るようになった。
「どんな仕事でも、スイマーのように泳ぐのは自分で、タイムや歓声に振り回されず、ただひたすら自分のやるべきことをやることが結果につながるんです。途端に、楽になりましたね。自分を否定していては、何も生まれませんし、前進も出来ませんから」
そのとき、女性だから撮れる写真の深さも知ることができたという。
「写真機は事実を写す鏡であり、自分を写す鏡でもあります。女として、安珠として、素直に濁りのない心で、事実の中の真実を撮りたいといつも願っています」
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