宝塚時代から一変した体の状態に気分もダウン

 「東の東大、西の宝塚」と称されるほど難関の宝塚音楽学校。中学時代から宝塚に憧れていた貴月さんもまた、競争率20倍という狭き門を突破して入学。卒業後は宝塚歌劇団に入団し、晴れてタカラジェンヌとなった。以来、15年間、男役として稽古と公演に明け暮れる毎日が続く。

 「真冬でも稽古や舞台中は、いつも汗だく。否が応にも体が鍛えられ、人に見られる緊張感もあって太る暇などありませんでした」

 ところが、退団後に「飼い犬にトリミングしてみたい」という動機からトリマーとなった貴月さんに身体的な問題が持ち上がる。
「持病の腰痛が悪化し、年齢のせいか体力も落ちて姿勢が悪くなり、体のラインも崩れてきました。お腹周りや二の腕は太くなり、昔に比べて明らかに体がたるんできたんです」

 その変化は精神的な面にも波及した。大好きだったおしゃれをしなくなり、友人とのつきあいもおっくうになり、毎日自分を奮い立たせないと頑張れない……。

 「これはいけないと思って、体を鍛え直すためにヨガやピラティス、バレエを手当たり次第に始めたんです。なかでも、ピラティスは腰痛にもよく、いちばん自分に合っていたようですね」

 人に教えることを視野に入れ、インストラクター資格を取得。同時に仕事も辞めたが、ピラティス専門のインストラクターにピンとくるものがなく、次の「やりたいこと」を探していたときだった。

インスピレーションを信じて見つけた
“人生の歩き方”

 「気になり始めたのがウォーキング。最初は、歩くことで体は鍛えられないと思っていたんですが、雑誌やテレビにウォーキングの文字が出てくるといつのまにか食いつくように見てる(笑)。シェイプアップ効果もあるらしいとわかり、1度試してみなくちゃと」

 レッスンを受けたその日、「これだ!」とひらめいたという。
「他の生徒さんが自信を持って美しく歩く姿が印象的でした。自分も習えば、男役で悪いクセになってしまったガニ股がなんとかなるかなと(笑)。なにより、モデル気分が味わえるレッスンがすごく楽しくて。数回通ううちに、自分が生徒さんに教えているビジョンが浮かんできたんです」

 そのインスピレーションに従って、ウォーキングのインストラクター資格を取得。ピラティスとウォーキングを合体させた独自のウォーキングを完成させた。
「ピラティスで鍛えたインナーマッスルを使い、美しい歩き方を身につける。すると、代謝が高まり、燃焼しやすい体になります。背筋を伸ばすと自信がつき、心もポジティブに変わるんですよ」

 その言葉どおり、しなやかですらりとした体を取り戻した貴月さん。これからも女性を美しくする方法を考えていきたいという。

貴月あゆむ

東京都生まれ。宝塚音楽学校卒業後、1988年に宝塚歌劇団入団。男役として15年間舞台公演で活躍する。2002年6月退団後、FTP認定マットピラティスインストラクター、日本ボディデザイン協会認定ウォーキングインストラクター取得。現在、ピラティスとウォーキングを組み合わせたビューティウォーキングのインストラクターとして、「目白椿の坂スタジオ」をはじめ、フィットネスクラブなどで指導。著書『―タカラヅカのように歩く―エイジレス・ウォーキング』が5月に発売予定(アメーバブックス新社)。

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