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花店でのアルバイトで自分をバージョンアップ
いつも「自分に足りないものは何か」を考える。今ある河野さんを形成したのは、まさしくその発想だ。
大学で建築を学ぶうちに「緑をなぎ倒して建物を建てる」ことに違和感を覚え、建築業界ではなく出版社に入社した河野さん。結婚情報誌の制作現場でフラワーデザインを目にし、「一瞬で空間の表情を変える花や緑の力に圧倒された」という。植物に関わる仕事への興味を持ち始めた頃、体調を崩して退社。フリーとなった河野さんは、企業などに植物を使った商品企画や空間デザインのプレゼンを始める。
「今でこそエコやロハスが話題となり、商品企画や空間デザインにも植物が求められていますが、当時はまだそういう土壌がなくて。自分の知識や経験不足もあり、植物の企画は受け入れてもらえませんでした」
そこで、自分の足りない部分を補うために一念発起。大田市場に隣接する大手の花店で、朝6時から正午まで週3回のアルバイトを開始。
「年間を通じて流通する植物の名前を覚えるだけでなく、水揚げや花束のアレンジから植物の管理まで、多種多様な仕事を経験しました」
午後はフリーの建築プランナーとして働いていたため体力的には過酷な日々だったが、植物と接する楽しさに支えられ、1年間やり通す。
「それまでは植物のフォルムだけしか見ていなかったんですね。でも、花店で知識や経験を積んでからは植物の特性や管理法も踏まえて提案できるようになり、企画にリアリティや説得力が加わったと思います。今ではすべての仕事が植物に関係しており、とても充実していますね」
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