進化する!一般事務職
【 2005年2月 】
【 Case4 】 
新潟ファイナンシャルプランニング 経理環境改善コンサルタント 田村夕美子

一般職こそ、利益やキャッシュを生み出す仕事をしなきゃ!
〜 あなた独自の風を巻き起こして、会社にも自分にも付加価値アップを 〜

新年あけましておめでとうございます

お正月も過ぎ、いよいよビジネスモードに突入です。今年はどんな年にしたいですか?
私はいつも新年早々、手帳の1ページ目に今年の目標を記入します。そして年末に「どれだけ実現出来たかを。」チェックします。内容は、「〇〇の資格取得」や「TOEIC 100点アップ」などなど、年の初めは気合が入っているのですが結局達成ができず、反省ばかりです・・・

今年の私の目標は、「娘と接する時間を増やすこと。」「社内外の人々ともっと接し、コミュニケーション力を身につけること。」です。
結構簡単そうな目標だけど、「心」にゆとりがないと達成もむずかしそうかな〜 また今年の末あたり「反省」だったりして・・・
私 田村も今回は譜楡子さんから学びたいと思います。

 

第四回 受付 譜楡子(ふゆこ)さんの場合
○ 今までの仕事

譜楡子さんは「ウーマン商事」の受付担当をして2年が経過しようとしている。前職も大企業の受付をしていたがリストラに遭い、現在の会社に契約社員の身分でようやく再就職できた。

人の名前や、勤務先、肩書きを覚えるのは仕事上必須なスキルなので得意。しかし、この御時世で受付業務を正社員に採用できるのは、一部の大企業にすぎない。ほかはアウトソーシングか、近年、新規採用を見送りにする企業も増えている。それより全体的に、受付担当の年齢層が低いのも気がかりだ。「スーパー受付嬢」を目指すのも悪くは無いが、少々あせりがある。

 

○ 譜楡子さんの「新風」・・・
“真のイメージアップとは・・・「心」からまず磨くこと!”

契約社員なので、自分の意見や提案はとおりにくい。しかし、譜楡子さんは自分の力でなんとか会社に貢献出来ないかと思案する。たとえ認められたとしても、昇進は出来ず、良くて正社員への転換くらいだろう。

でも、譜楡子さんはもっと先の未来を見つめることにした。今まで自分が培ってきた力をこの「ウーマン商事」で発揮出来れば、今後また仕事をしていく上で、多大な自信となるだろう。ちっぽけな野心など捨て、全力で取り組もうと心に決めた。

 今まで譜楡子さんは、様々な会社の受付担当として渡り歩いてきた。その中で、いつも感じていたことは、そこで働く社員の特色の違いだ。

 フロントから譜楡子さんは、社員に対し、朝の出勤時や外出時に「おはようございます。」「行ってらっしゃいませ。」と声をかける。その時どうしても目が行くのは、社員一人一人の服装や態度だ。歩き方が颯爽としていてステキな人。「いつもご苦労様。」と譜楡子さんにも声を返してくれる人。一方で、挨拶も返してくれない人。カジュアルな服装で平気な顔で出勤してくる人。やはり後者のタイプが多い会社は、全体的に統制がとられていない印象を受けたし、経営面でも上手くいっていないという情報も浮上するケースが多かった。

 そこで、譜楡子さんは独自で「真のイメージアップとは・・・」を問い、更なる研究を続けた。

 受付担当のため、接遇は得意として来たが、より受付の仕事を極めるために、又そのスキルを人に教授するためでもあった。
その勉強方法は、書籍のみではなく、ホテル、レストラン等、他のサービス業の視察、専門の先生によるコーチなど多岐に渡った。

 業種は異なっても、「人」と接することには変わりない仕事。そこには共通して言える「大切なこと」がある。それは、人に対して「思いやる心」「心配り」そして、現状に甘んじることなくより一層仕事を極めたいと思う、「向上心」

譜楡子さんは今回の勉強を通して「心」を磨く大切さを再認識させられる。

早速、次のステップを踏むことにした。

 

○ 譜楡子さんが、会社に与えた利益。

「勉強の成果を形にして、他の人にも伝えたい。」そんな気持ちから、自分が得た大切なこと冊子にまとめ、人事部を通し、それぞれの部署に配布してもらった。

 「大切なこと」とは、まず人に対して「区別」をしないこと。つまり心配り、態度を変えないこと。譜楡子さんは、今回の勉強でこんな基本的と思えることをまず重点に表現したいと思った。

 相手の方がお得意様でも、取引業者でもあるいは日々書類を配達してくれる宅配ドライバーに対してでも、そして「社内の人」でも。プロのビジネスパーソンならその方へ心をこめて敬意を表すべき。

 その方は、様々な取引の場面で会社とあるいはあなた自身と関わりがある「大切な人」のはず。

一般の書店で手にする無機質な書籍に比べ、譜楡子さんの冊子は温かみがあり普段は、あまり本を読まない社員も、仕事の合間に冊子を眺める姿が見られるようになった。

 その冊子を参考にした結果なのかどうか、譜楡子さんの目からはフェミニンで且つ「出来る」印象を受けるスーツを身に付けた若い女性社員や、他の部署の人にも「お疲れ様」や「この間の〇〇のプレゼンわかりやすかったよ。」など平社員に暖かな声をかけるオジサマ管理職を見かけるようになる。

小冊子を配布したその年の「ウーマン商事」の決算書は・・・残念ながら「その年」の変化はあまりなし。しかし、数ヵ月後、あるいは数年後、譜楡子さんの功績を見習い、真のイメージアップを超越したビジネスセンスを身に付けた社員が続出し、未来の「会社の成績」は良い結果を生み出すでしょう。

 

○ その後の 譜楡子さん

社内に止まらず、社外でも「心&ビジネスセンスをアップ!」をテーマに接遇関連の講師を始める。また自分が始めたオリジナルな行動が、どの位社会に反映できるのか、具体的に数値化された結果を見たく、決算書の見方に関する勉強も開始する。


 

解説―譜楡子さんが巻き起こした風とは…

★ 「心」が磨かれていなければ、「真のイメージアップ」は実現できない。

会社のフロントで働く受付嬢やホテルのフロント係,病院の受付業務係などこれらの職種は、訪れる人々への観察力が養える職種でしょう。
同時に自分が接する場合も、いかに失礼のないように応対するか言葉遣い、身のこなしなど常に研究が必要です。それは説明するまでもなく、受付業務は会社、ホテル、病院の「顔」であり「代表選手」だからです。

「お客様対受付係」「取引先対受付係」と「同僚たち対受付係」「会社の役員対受付係」
相手方は「お客様」「内部の人」と相反していても、「人」には変わりません。

譜楡子さんのオリジナル「冊子」には何が表現されていたのでしょうか?
おそらくビジュアル的な好印象のみを説いたのではなく、プラス「人に対する思いやりの心」もっと自分の仕事を極めたいと思う「向上心」の大切さを書いたのではないでしょうか?

 ひとつ取り上げてみましょう。たとえば、相手方が”外部の人”だったら・・・

 「あなたは相手方が法人の一担当者でも、その方個人の名前も覚えて、具体的にどんな場面で感謝しているのか、助けられているのか自然にお話しが出来ていますか?」例えばこんなふうに・・・
 
 「〇〇様 いつも弊社のA商品をご贔屓にしてくださるお陰で、あの商品を開発した担当者が社内表彰を受けそうなんですよ。」

 「□□さん 毎回納期が正確で本当に助かっています。いつも弊社のムリを聞いてくださりありがとうございます。顧客へお待たせしなくて納品ができ感謝しています。」

 「ヤマ川宅便の△△さん こんな雨の中配達ご苦労様です。」
 
 あなたもこんな風に暖かな言葉をかけられたら、すごく励みになるのでは?

 心の通っていない、「セリフ」しかでて来ないのは「マナー違反」です。

 もちろんお決まりの「セリフ」にならないためには、もっと「好条件で取引したい!」もっと「お客さまに喜ばれる商品を提供したい!」などの向上心が伴っていないと簡単に「心からの言葉」は表現できないものです。

マニュアルどおりではなく、相手を思いやったお声かけや気配り。プラス印象の良いビジネスマナーを持ち合わせた人が応対してくれれば、相手がどんな立場であれ、喜ばれるはずです。
その後の商談もスムーズに行くかもしれません。社内間でコミュニケーションが深まることもあるでしょう。
こんな心配りは、なにも「受付業務」の独占種目ではありません。役員から平社員まで、ビジネスパーソンなら持ち合わせていなければならないと思います。

会社全体が「人を思いやる心」「仕事をもっと極めたいと思う向上心」を持つ人で溢れたら、この効果で大きく経営も改善されるかもしれません。

そんな「心」をもった人はお客様に不利益な商品など売らないでしょう。自助努力で会社へ利益をもたらす仕事をするでしょう。無駄な経費など使わないでしょう。

譜楡子さんの行動は具体的に数字として貢献度がまだ不透明ですが、今後「決算書」の読み方も勉強し、今度は人々の「心&ビジネスセンスアップ」がどう数字に影響されていくか、研究も続けるようです。今後の活躍も楽しみですね。

 

★ 田村から「体験談」をひとつ

以前わたくしは、エステ業界の経理責任者の仕事をしていました。
経営状況は最低で、日々の資金繰りに追われる日々・・・「今日寝たら、カレンダーが来月になっていないかな・・・」など想像したものです。(支払日、手形支払期日が末日なので。)
「心」にゆとりがなく部下たちの仕事もみてやれませんでした。

そんな時ひとりの部下が私に相談に来ました。「経営会議の資料をどうしたらよいか?」
資金繰りのことで頭がいっぱいだった私は、思わず「そんなこと、自分で考えなさい!」とはねつけてしまったのです。まったく思いやりのかけらもない発言でした。

そんな経営状況のなかでも、私に「がんばっているね。」「いつも大変だね。」と声をかけてくれた上司、同僚がいました。
わたしはその言葉を頂けるのは、「私が一番大変だから、当然」だと勘違いをし、私自身が他の社員に向けて思いやる心など「ゆとりがない」せいにして持ち合わせる努力すら怠っていたのです。

その後わたしは、この仕事のプレッシャーから解放されたく退職。転職をしてまた経理職に就きました。その一年後に私が以前いたエステ会社は、倒産したとのことです。

倒産の理由は、「経営者の責任」の一言でしょうが、もしあの状況下で少しでももっと上層部の人たちや同僚と「心」をもって、経営再建するにはどうしたらよいか、前向きに話し合える機会を設けたら・・・現場スタッフの意見を聞くことができたら・・・
すこしは、持ち直したかもしれません。たとえどの道倒産しても、その時関わり合った人たちと集い、起業することも出来たかもしれません。

今は当時の仲間達とは、音信不通です。でもわたしは、現在関わっている人々にもっと「心」を持って接していこうと思います。プラス自分の現状に甘んじることなく「向上心」も持ちつづけたいと思います。

「心&ビジネスセンスアップ」これが実現できれば、・・・仕事も生活もうるおいアップかな?

 



こんな見方もできる!決算書

今回は「貸借対照表」&「損益計算書」を用いて、おもな流動資産、負債の回転日数を見てみましょう。
ある時点での財務状況がわかる「貸借対照表」。会社の成績がわかる「損益計算書」。それぞれ基本的な見方がわかったら、片方のみを見つめるのではなく、両方のバランスを見つめることも大切です。

流動資産、負債は色々ありますが中でも「棚卸資産」「売掛金」「買掛金」は、会社経営の中でも本業のステージで活躍する、「主役クラス」です。
それはなぜでしょう?

皆さんは、自分が働いている会社の「棚卸資産」がどのくらいの日数を販売されるのか、お客様が将来支払してくれる「売掛金」がどのくらいの日数をかけて、「回収」されるのかわかりますか?

また、「買掛金」はどのくらいの日数をかけて「支払」されるのかわかりますか?

下段の損益計算書にそれぞれ「回転日数」の計算方法(A〜C)が載っています。

さて計算ができたら、注意してみてください。
「A+B」の回転日数と、「C」の回転日数どちらの数字が大きいでしょうか?

「A+B」の日数が「C」より多いと・・・支払をする期日よりも、回収される期日が遅いので資金繰りが苦しいことがあります。借入金に頼ることにもなり兼ねません。

「C」の日数が「A+B」より多いと・・・回収される期日より、支払の期日が遅いので資金周りは順調です。

この様に計算してみると、これらの「流動資産」が責任重大で且つ慎重に扱わなければいけない「主役クラス」だということがわかります。

これらの科目は、日頃どんな場面で登場するのでしょうか? たとえば・・・

取引業者との交渉→「仕入」&「棚卸資産」「買掛金」の登場です。
お客様との商談   → 「売上」&「売掛金」の登場です。

「取引業者」「お客様」まったく立場が逆でも、「人」には変わりません。
すぐには結果がでなくても、「心」を極めて相手方と商談、交渉にのぞめばやがて緩やかに「良好な数字」として結果が表われるかもしれません。

日頃のあなたが何気なくしている仕事、ひとつくらいは「他人」が関わっていることもありますよね。その相手にどう「心」を配って、より良好な仕事が出来るか・・・
些細なことから見つけたら、将来は大きな成果をもたらすことでしょう。

 

 

◆ これが貸借対照表

 

(↑クリックで拡大画像が表示されます。)

◆ これが損益計算書

 

(↑クリックで拡大画像が表示されます。)

 

田村夕美子さんのプロフィール

 新潟ファイナンシャルプランニング 経理環境改善コンサルタント。建設業、エステ業、化粧品販売、フードビジネス等20年に渡り幅広い業種の経理を担当。一担当者から総括、管理職など様々な立場を経験。
 近年では、医療法人にてサラリー経理ウーマンとして働く傍ら、夫が立ち上げたファイナンシャルプランニング事務所の経営プランニング担当として活動中。又、経理情報雑誌に誌上講座も執筆している。
 “現場に強い!利益とキャッシュと幸せを生む経理”をモットーに自らを「経理環境改善コンサルタント」と命名し、中小企業の経理担当者のマインドを高める使者を目指す。

◆田村夕美子さんからのメッセージ
このたびの「新潟県中越地震」にて被災された方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

●新潟ファイナンシャルプランニング ・・・ http://nfp.cc

 

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