【 file104 外務省専門職員 】
外務省専門職員は、外務省や大使館・総領事館・政府代表部などの在外公館で、外交の専門家として活躍しています。今回は、安倍春菜さんにお話を伺いました。
■■ プロフィール ■■

【 安倍春菜さん 】

●職員歴11年。32歳。夫と子どもの3人家族。
●専門言語はハンガリー語で、要人の通訳も重要な仕事のひとつ。「自分の存在を感じさせずに、スムーズに会話をつなぐのが腕の見せどころです」


【外務省専門職員の仕事内容】

外務省には、霞ヶ関にある本省を中心に、世界各地に合計189の在外公館があります。ここで働く省員は約5500人。担当する仕事は、外交政策経済援助から、日本人の保護渡航関係に至るまで多岐にわたります。

外務省職員の中でも、言語のスペシャリストといえるのが「外務省専門職員」。もちろん言語だけでなく、その国の政治、経済、社会、文化、歴史などにも精通していなければなりません。

安倍春菜さんはハンガリー大使館勤務を経て、現在本省に勤務。軍縮関連の外交政策を担う「軍備管理軍縮課」に所属しています。安倍さんの担当業務は、軍縮関連の各種国連決議に対して、日本の立場について取りまとめること。さらに、軍縮に関わる国連関連機関への支援、核兵器保有国の核軍縮政策についても常に詳しく把握しておくようにしています。同時に、日本の軍縮・不拡散外交を広報するための、冊子の編集なども担当しています。


【外務省専門職員への道】

学生時代、東欧で民主化革命が勃発。友人だったハンガリー系ルーマニア人の女性から革命の実体験を聞いたことが、専門職員を目指すきっかけとなりました。「日本の支援状況などを調べているうちに、技術協力などを通じて東欧の復興を見届けたいと思い始めました」

専門職員になるには、外務省が独自に実施している「外務省専門職員採用試験」を受験する必要があります。20歳以上29歳未満という年齢制限があるものの、学歴や実務経験などは問われません。一次試験の内容は、一般教養と専門試験(憲法、国際法、経済学、時事論文、語学:英語など18カ国語から選択)。二次試験は、外国語会話、個人面接、集団討論、健康診断(安倍さん受験の平成8年当時は集団討論なし)。安倍さんは、過去の合格者の体験談を参考に、基本となる専門書を読むことからスタート。公務員試験の予備校にも通って準備をし、約8倍という難関を突破しました。

入省後、東京で1年間の実務研修と語学研修があり、その後2年間、現地の語学学校や大学で学びます。安倍さんの研修語学は、第一希望の「ハンガリー語」に決定。ハンガリー語を学ぶのは初めてなので、最初の1年は大学付属の外国人向け語学学校に通学。後半の1年は、ブダペスト経済大学の聴講と家庭教師を併用して勉強しました。


【安倍さんの一日】
6時: 起床、子どもと遊ぶ。朝食。夕食の下準備など
8時: 子どもを保育園に送り届ける
9時: 出勤、メールチェックや在外公館からの電信チェック
10時: 国際会議に関する部内打ち合わせ
12時: 昼食
13時: 広報資料についての業者との打ち合わせ
15時: 在京大使館との意見交換
16時: 在外公館への連絡
18時: 幹部説明用の資料作成
20時: 帰宅、子どもと遊ぶ。夕食
21時: 子どもを寝かしつける。洗濯、掃除、片付けなど
22時: ネットでニュースなどのチェック、語学の勉強、読書など
24時: 就寝

【安倍さんにお話を伺って…】

専門職員の資質として、安倍さんが一番重要だと思うのは、身体的にも精神的にもタフであること。「勤務時間が深夜まで及んだり、省内・省外との調整や長丁場の交渉事には、体力、打たれ強い精神力、強い信念が必要です」。また、「外交」の基礎となるのは、人と人とのコミュニケーション。「この人と仕事がしたい!と思ってもらえるよう、協調性、柔軟性なども大切です」

給与は、他の公務員と同じ基準で支払われます。「大変やりがいのある仕事ですし、現在の収入には満足しています」。仕事と育児を両立するための制度も充実。安倍さんも、2年半の育児休暇を取得して育児に専念したのち、現在の職場で復帰しました。「最近は子どもを持つ女性省員の数も増えて、育児中の職員に対する理解も深まっています。急病時など、周囲も温かく見守ってくれていると感じています」


◎外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/


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