【 file107 自動車整備士 】
「車が故障した」「もうすぐ車検」…メンテナンスのたびにお世話になるのが自動車整備士。かつては男性の職業とみられていましたが、最近は女性の整備士も増えてきています。今回は、岡本周子さんにお話を伺いました。
■■ プロフィール ■■

【 岡本周子さん 】

●37歳。夫と2人暮らし。犬1匹。
●神奈川日産自動車に勤務。後輩整備士の教育を担当しながら、スキルアップのために国家試験の一級自動車整備士に挑戦。33歳のとき、日本で第1号の女性合格者に。


【自動車整備士の仕事内容】

自動車整備士は、主に自動車販売ディーラーや自動車整備工場で、整備や修理といったテクニカルサービスを行っています。車の調子をベストな状態に保つのはもちろん、ユーザーに的確な説明やアドバイスをするのも大切な仕事です。

岡本周子さんは入社後、整備のスペシャリストとして現場で働いてきました。定期点検や車検のほかに、突発的な故障や事故などに対応。車の搬入、修理、記録簿記入、伝票入力、洗車、納車など、受付から精算までの一連の業務に関わりました。

入社して8年後、今から9年前に、岡本さんは自動車整備士の教育担当に替わりました。そして、自動車に関する知識、技術はもちろん、接客も指導することに。「医者は患者に病状や治療について説明しますが、車の場合も同じこと。営業を通してではなく、担当整備士自身が直接説明するほうが、お客様も安心してくださいます。新人だけでなく、若手エンジニアに対しても、マニュアルに沿った顧客対応ができるように研修会などを開きました」

現場で経験を積んだ整備士は、その豊富な知識を生かして他部門で活躍するケースも。現在、岡本さんはサービス事業部の企画部門に所属。顧客データや業績の集約、予算管理、顧客向けのチラシ作りなどを担当しています。


【自動車整備士への道】

小さいときから機械好きだったという岡本さん。小学3年生で、壊れたラジオをひとりで全部解体し、元通りに組み立てたほど。高校時代、「手に職をつけられる」仕事を探す中で、“自動車整備士”に興味が沸いたとか。

ちょうど住まいの近くに、日産系の専門学校の横浜校が開校したので入学。1学年約100人中、女子学生は岡本さんひとりだけでした。「小柄なので、重いタイヤ運びなどの力仕事は大変。男子学生にずいぶん助けてもらいました」。ここで2年間整備全般を学び、卒業前に国家二級自動車整備士資格を取得。系列の自動車販売会社へ就職しました。

現場に立ってからも、電気・電子・コンピュータなど、常に整備に必要な最新の技術を学んでいかなければなりません。「研修や指導を受けた後も、そのつど資料を確認し、読み返したりしてコツコツ勉強しました」

平成14年12月からは、ハイテク車の整備技術などに対応するため、“国家一級自動車整備士”の資格試験がスタート。学科と実技、口述試験があります。岡本さんは仕事のかたわら、より高度な技術指導のために、合格率5%未満という難関を2度目の挑戦で見事突破しました。


【岡本さんの一日】
<1日オフィスで仕事をする日の場合>
6時: 起床、食事、掃除、洗濯、夕食の下準備など
9時: 仕事開始。営業日報集約、社内配信、データの集約
12時: 昼休憩
13時: 仕事開始。チラシ作成、リストチェック
20時半: 帰宅、夕食、入浴、読書、テレビなど
23時半: 就寝

【岡本さんにお話を伺って…】

自動車整備士の資質として、岡本さんが一番重要だと思うのは、体力と協調性。「力作業などは2〜3人で助け合いながら行う事もあるので、お互いの協力は不可欠。できないところは手伝いを頼む素直さも必要です」。また、「狭い車内での作業や、繊細な作業など、男性よりも女性のほうがスムーズにできる場合もあります」

勤め始めた頃は、整備スタッフのつなぎを着ていると、女性ということでお客様から大変驚かれたという岡本さん。だんだんと信頼関係が築かれ、「岡本さんにお願いしたい」と指名されるまでに。現在は、整備も営業も女性は確実に増えているそう。「女性ユーザーの増加もあって、会社側も女性を増やそうと積極的。若いときは整備経験を積んで、結婚や出産後はテクニカルアドバイサーとして活躍する女性もいます」

昨年1年は営業マネージャーも経験。畑違いのため、販売関係のシステムから専門用語まで、言葉ひとつから覚えていきました。何事にもタフな岡本さん。「仕事で落ち込みそうになったときは、悩んでもしかたがないので、パッと切り替えるようにしています。どんどん忘れて引きずらないから、仕事を続けていられるのでしょうね」


◎神奈川日産
http://www.kanagawa-nissan.co.jp/


◆--+--*--+--◆--+--*--+--◆--+--*--+--◆--+--*--+--◆--+--*--+--◆--+--*--+--◆

 TOPページへ戻る