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山本さんは、福祉関係の大学を卒業した後、老人福祉施設に就職しました。介護保険制度の開始に伴って、平成10年に介護支援専門員の資格試験がスタート。介護保険指定施設には、介護支援専門員の配置が義務付けられたこともあり、第1回の試験には多くの受験者が集まりました。山本さんは「福祉や医療などの分野で5年以上の実務経験」という受験資格を満たしていたことと、上司の勧めもあって受験を決意。その結果見事合格し、介護支援専門員として仕事をするようになりました。
介護支援専門員の主な仕事は、介護保険サービスを受ける高齢者や家族の相談に応じて、それぞれに合ったケアプランを作ること。また、サービスを利用してみてどうだったか、新たに困っていることはないかとモニタリングするのも大切な仕事です。保険申請の代行などの事務作業もありますが、山本さんの場合は、勤務時間の大半を利用者の自宅訪問に費やしています。「毎日、訪問、訪問……の繰り返しなんですよ」。
介護保険制度は、痴ほうや寝たきりの高齢者に介護サービスを提供する制度。でも、山本さんが実際に受ける相談は、介護保険とは関係のないことが多いそう。「体が思うように動かない不安や悔しさ、介護する方の不安や悩みなど、介護サービスを利用するだけでは解決できない問題がたくさんあるんです。そんな時は、ただお話を聞くことしかできず、ふがいなく思います」。介護保険制度は刻々と変わるので、それに追いつくための勉強も欠かせません。また、相談者はもちろん、行政や病院など、さまざまな職種の人とコミュニケーションをとる能力も必要です。
山本さんは、長い介護を終えたご家族からかけられた言葉が、とても印象に残っていると言います。「皆さんに助けられながら、こんなに安らかな気持ちでじいちゃんを自宅で看取れるなんて夢にも思わなかった。じいちゃんと私たちの夢が叶って本当に良かった」。介護を通して、私の方が人生勉強をさせてもらっていると語る山本さん。その真摯な姿勢からは、福祉の仕事に対する誇りが感じられました。
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