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イベントで来場者の案内役を務める「アテンダント」は、会場運営に欠かせない存在。博覧会では、全く経験のない人を地元で採用して研修を行い、一人前に育て上げます。イベントプランナーの猿渡さんが担当するのは、アテンダントの募集や研修の手配、他の部署との調整や会場でのサポートなど、裏方としての業務。「アテンダントたちが気持ちよく、楽しく働ける環境を作るのが仕事」。また、今回の北九州博覧祭では営業も担当し、クライアントとの交渉などにも当たっています。
猿渡さんが初めて博覧会に関わったのは、1989年に福岡市で開かれた「アジア太平洋博覧会」のアテンダント(当時の呼び名はコンパニオン)でした。3年間勤めた会社を辞めたいと考えていたとき、たまたま募集記事を見かけたのが応募のきっかけ。退職理由にちょうどいいと軽い気持ちで始めた仕事は、予想以上に楽しいものでした。「用意されたステージの上で踊っているような感じ。人生の中で最も充実した日々でした」。この仕事を続けていきたいと思った猿渡さんは当時のインストラクターへ手紙を書き、願い叶って入社することになります。それからは、アテンダントをサポートする仕事を担当。「最初に私が味わった感動を、今のアテンダントたちにも味わってほしいと思っています」。
博覧会のオープン直前には徹夜が続き、疲れはピークに達します。同僚と現場から会社へ戻る途中、睡魔に勝てずに車の中で寝込んでしまったことも。「『心中かもしれない』と通報を受けた警察官から起こされました。会社でも、いつまでも到着しない私たちをとても心配していたそう。もちろん死ぬほど怒られました」。それほどたいへんな仕事でも頑張れるのは、毎回心から信頼できるディレクター陣に業務面・精神面の両方で支えられているから。そして、辛く苦しいことがあっても、最終日の観客を見送るときには、全てがいい思い出に変わることを知ったから、と猿渡さんは言います。「どうせ楽しい思い出になるんだったら、辛いうちから楽しんでおこうと思うようになりました」。
博覧会は、いわば大掛かりなお祭り。博覧会の成功という同じ目的を持つ仲間には、性別や年齢、社会的地位に関係なく連帯感が生まれます。「多くの人と密度の濃いつきあいができる環境に、とても感謝しています」。仕事をする上では、自分の気持ちを常に良い状態にコントロールできることが大切だと猿渡さんは言います。「自分が楽しくなければ、お客様を楽しませることもできませんから」。それから、周りの人を仕切れる能力も必要。「鍋奉行タイプの人には合っている仕事かもしれません(笑)」。アテンダントたちの元気の源でありたい、と語る猿渡さん。忙しい中でも、思い切り仕事を楽しんでいる様子が感じられました。
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