【 file28 自衛官 】
自衛官は、さまざまな面で私たちに密接な関係のある職業です。米軍などによる米国連続テロ事件への対応作戦を支援するため海外派遣が論議されるなど、最近注目を集めています。でも、具体的な仕事内容についてはあまり知らないという方も多いのではないでしょうか。今回は自衛官のまあこさんに、実際の仕事について伺いました。
■■ プロフィール ■■
【 まあこさん 】

●自衛官歴:3年半 年齢:20代後半
●こうと決めたら、とことん突き進む一直線タイプ。ストレスを感じたときは、カラオケで発散しています。夫との2人暮らし。

自衛官の仕事内容は多種多様。まあこさんが所属しているのは、戦闘部隊が使う車両や通信機、火器の整備を行う整備部隊です。幹部自衛官であるまあこさんは、使用部隊と整備部隊の調整や、整備・訓練の計画を立てるのが主な仕事。「自衛隊のあらゆる任務を遂行するに当たって、使用する装備品が動かなければ、残るのは人力だけ。戦闘部隊に比べると地味で目立ちませんが、非常に重要な仕事だと思います」。また、整備作業の合間には、身体や技術を鍛えるための訓練も行います。「訓練では何週間も山の中で過ごしたり、野外で夜を徹して整備作業に当たることもあります。最終的には体力勝負の仕事ですね」。

まあこさんが自衛官を志したのは大学生のとき。不発弾を処理する自衛隊の様子をテレビで見て、強く興味を持ちました。さらに、北海道の豊浜トンネルで起きた岩盤崩落事故で、閉じ込められた人々の救出に当たる自衛隊の姿を見て、衝動的に『自衛官になる』と決意。その翌日には自衛隊の事務所を訪ね、採用試験についての説明を受けて、陸上自衛隊の一般幹部候補生試験を受験することに。 1年目は内定まで至らなかったものの、翌年には無事突破し、自衛官の幹部候補生となりました。

平成13年度版の防衛白書によると、自衛隊における女性の割合は約3%。実際に、まあこさんが所属する部隊の30数名中、女性はまあこさん 1人だけです。さらに、年令は部隊の中でも下の方なのに、地位は上から2番目というアンバランスな状況。自分よりも年上で自衛隊歴も長く、人生経験も豊富な人たちに対して「上司」でなければならないストレスはたいへんなものだとか。「上司の個性に慣れ、命令に従う適応力を持っているのがプロの自衛官。ですから、若くて経験の少ない私でも上司とし、その命令に従って行動します。せめて、私が誤った判断や命令をして無用な労力をかけることがないようにと、いつも苦心しています」。

自衛隊と民間企業の大きな違いは、目的が利潤の追求ではないこと。「民間企業なら、個人の能力で成果を残し、出世するといった目標があります。でも私たちの仕事は、目には見えない何かに対してやりがいを感じられないと難しいかも」。まあこさんが仕事を通して学んだいちばん大きなことは、「人と協力しあう喜びを感じられるようになったこと」と言います。「自衛隊の中では、一人になれないと言っても過言ではありません。誰かのために何かをしたり、してもらったりすることで、自分は一人で生きているわけではないんだなあと実感するんです」。

英語に関心が高く、ニュージーランドで現地の英語学校へ通った経験もあるまあこさん。これからの目標は、自衛隊の中で英語を使った仕事に就くことです。「具体的には、米軍との調整や通訳、自衛隊の海外訓練や国外情報を扱う仕事などがあります。できれば外国で仕事をしたいですね」。いつか子どもを持つことになっても、絶対に定年まで自衛官の仕事を続けていきたいとも考えています。「近年、自衛隊は女性にも開かれてきたとはいえ、まだまだ男性社会。その中で『女』をウリにするのではなく『女らしさ』を生かして、男性にも認められる仕事をしていきたいと思っています」。

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