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ハナコさんは、所属する消防組合の女性消防官第 1号として採用され、現在
2年目。一般の消防では、女性は日勤の「予防事務」や、「救急隊」に就いていることが多いのですが、ハナコさんの所は男女が全く同じ勤務形態。消防隊・救急隊・予防事務を兼務しつつ、「火災があったときには男性と同じように防火衣を着て、現場で筒先を持って火災戦闘にあたります」。8時30分から
数時間の仮眠を含む24時間勤務を経て、翌日の8時30分から24時間フリーになるという 隔日勤務のローテーション。週2日の公休もありますが、火災があれば二次出動に備えて署に駆けつけるため、オフも「自宅待機」とみなされます。
消防官は、人の生と死、さらに災害に直面する過酷な仕事です。先日は、後輩女性消防官と入浴していた時に建物火災の報が入り、二人とも体も拭かず下着も着ず、作業着と防火衣を羽織って先着隊として出動。「消火活動にあたっていると、すぐそばでプロパンガスのボンベが小さな爆発を繰り返しながら火を噴いていました。熱くて怖くて、生きた心地がしませんでした」。そして、火災が一段落した原形をとどめていない家の中で、初めて犠牲者の姿を目の当たりに……。「その光景は、たぶん、一生忘れることはないでしょう」。犠牲者の冥福を心から祈りながら、現場の極限状態に接する消防官の仕事というものを改めて確認したのでした。
そんなタフなハナコさんも、もともと消防官志望という訳ではなく、就職難の末、地元の消防を受けたら受かったというのが、正直なところとか。「消防学校の頃には、ケガも絶えず、また男性と全く同じ訓練内容に体力的についていけないと感じ、思い悩んで教官に相談したこともありました」。そのとき、教官が会わせてくれたのが
5歳の消防官志望の女の子。そして、「どんなに辛くとも、この子のように、誰かがどこかで、必ずお前を見ていてくれる。消防官の存在があるだけで、地域の人たちは安心するんだ。だから、もうちょっとがんばってみないか」と。辛いとき、自分の存在に疑問を持ったときには、その教官の言葉を思い出すのだそう。
「一度この仕事についたからには、プロとして定年まで勤め上げてみせると思って入ったし、なんと言っても人の命と財産がかかっている仕事なので、毎日が勉強勉強です。かなりやりがいを感じています」と、今の心境を語るハナコさん。防火指導で幼稚園や学校などに行ったときには、子どもたちが大歓迎してくれます。「女の子から『消防官』という職業について興味を持ってもらえるのが一番嬉しいですね」。
ハナコさんが目指すのは「お母ちゃん消防官」。幼児のいる家での火災や事故への気をつけ方など、消防・救急業務に役立つポイントは、実際に家庭を営む中で、さらに発見できるはず、とか。女性の少ない職場で働く女性へは、こんなメッセージを贈ります。「笑顔って、女性にとっての最大の武器ですよね。つねに笑顔を忘れず、どんな困難もはねのけてやりましょーっ!」。ハナコさんのハツラツとした笑顔には、芯の強さが感じられます。
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