【 file31 企画制作会社 営業 】
今回お話を伺ったのは、企画制作会社で営業を担当する紺野夏世さん。
社内で初めての女性営業として入社し、まもなく勤続10年目を迎えます。
■■ プロフィール ■■

【 紺野 夏世さん 】

●営業歴:9年、年齢:31歳。一人暮らし
●仕事の満足度は高いものの、忙しすぎてプライベートを楽しむ時間が少ないのが悩みのタネ。貴重なアフターファイブには、リフレクソロジーやマッサージで心身を癒しているそう。


紺野さんが勤めているのは、印刷を媒体とした販促物や広告物をメインに、イベントやWEB制作、CM制作などもトータルに請け負う企画制作会社。その中で営業社員は、クライアントのニーズを探り、会社がサポートし得る“何か”を提案するのが役目。「クライアントとの打ち合わせや、情報収集を重ねて企画・提案し、形にして納品するまでが仕事です」。紺野さんは、食品・化粧品・ショッピングセンターなど、女性の顧客が多い会社を担当しています。ほとんど毎日外出し、一日中会社にいる日はひと月に数えるほど

紺野さんはもともとコピーライター志望でした。ところが就職活動を始めたのは、ちょうど学生が就職難に直面し始めた時期。どの会社も、積極的に女性を採用しようとはしません。面接に行った現在の会社も、やはり同じ雰囲気でした。「面接官に『どうして女性を排除するのか。女性であることをうまく活かす方が、視点も広がりセンスも磨かれて、企画制作会社として良い仕事ができるのではないか』ということを話しました。そうしたら『君は営業に向いてるから営業としてうちにおいで』とスカウトされたんです」。営業は全く考えていなかった職種。でも、企画を提案するという仕事も楽しそうに思えたので、就職を決めました。

この会社では、紺野さんが初めての女性営業。受け入れる会社側にも戸惑いがあったようです。「上司が、女性にも普通に接しようと決断してくれました。だから男性と同じ仕事をさせてもらったし、同じように怒られました(笑)」。男性が多い中で仕事をうまく進めるには、「いい意味で、女だと思わせないこと」と紺野さんは言います。「化粧をしない、スカートをはかないというのではなく、同じ人間として、主張することは主張するということ」。でもそれは、一人前の仕事をこなした上でこそできることでもあります。「『私は女だからこう思う』と主張したいこともあります。それを疎ましく思われないためには、まず仕事を一生懸命やって、認めてもらわなくては」。

紺野さんは入社して1年半ほど過ぎたころ、納得のいかないことでクライアントから怒鳴られたことがありました。思わず涙が込み上げましたが、いつまでも泣いているわけにはいきません。急いで仕事をやり直し、納品まで全力疾走。そのがんばりが評価され、クライアントにかわいがってもらえるようになりました。「営業がへこたれてしまったら、仕事がなくなるのは必至。ピンチの時こそチャンスと捉えて、勉強しなおす余裕を持ちたいですね」。前向きに自分の気持ちを切り替えられると、仕事はぐんとやりやすくなります。

営業は会社の顔であると同時に、クライアントと会社とをつなぐ橋。人の話を聞いて理解する一方で、言いたいことをきちんと伝える力が必要です。「楽しく会話ができれば、お客様もいろいろと話してくれるので、次の仕事へのきっかけがつかめることもあります」。でも、相手が苦手なタイプだったら?「自分が苦手意識たっぷりだと、相手にもすぐに伝わります。相手に要求するばかりではなく、自分が変わることで相手の態度も変わってくる。ここが勝負の見せ所なんです」。少々のことではくじけないパワーと、いろいろなタイプの人に合わせられる柔軟性、それから好奇心旺盛で会話を弾ませるネタをたくさん持っていること。これが、営業職の強みと言えそうです。

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