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ファンドマネジャーとは、投資信託や年金などのまとまった資金を、どの株式や債券などに投資するか決定する(=運用する)専門家。投資の仕事というと、株価ボードを前にせわしなく株の売買をしているシーンを思い浮かべますが、ファンドマネジャーの場合は2、3年、ときには5年といった長期の視点で投資をします。そのため、企業の将来性を評価することが、仕事の大きなウエイトを占めています。「企業の財務諸表などの分析はもちろん、実際に会社を訪問して経営方針や企業の実態を調査し、企業の将来像を予測することにほとんどの時間を費やします。それと現在の株価とを照らし合わせ、投資をするかしないかの判断をするのです」。
中村さんが勤めている会社はチームで運用を行っているので、個別企業の調査と分析はアナリストの業務。企業の評価はアナリストとファンドマネジャーが共同で行いますが、最終的にどの銘柄にどれだけ投資をするかを決定するのはファンドマネジャーです。また、顧客への情報公開も重要な仕事のひとつ。どのような投資判断をしたのか、今後はどのように運用をするつもりなのか、定期的にレポートを書いて報告し、ときには投資信託の販売会社に出向いて運用状況を説明することもあります。
中村さんが大学を卒業したのは、いわゆるバブル景気の頃。活況を呈していた株式市場に魅力を感じた中村さんは、年金を運用する投資顧問会社へ入社しました。「株式市場は、常に変化し続ける生き物のようなもの。生涯の仕事として向き合っても、飽きることはないと思います」。担当しているファンドが好調なときは、自分の考えが正しかったという証明なので素直にうれしいという中村さん。でも、「これで終わり」という区切りがないという点では、達成感を得にくい仕事であることも事実です。「モチベーションを高く保ち続けるには、努力がいるかもしれません。私は勝負事が好きで勝ち負けにこだわるタイプなので、その気持ちを日々の活力にしています」。
ファンドマネジャーには、「自分の考えを貫き通し、安易に楽な方に流されない」いい意味での頑固さが必要。「その一方では、自分の価値観だけにとらわれない客観性と、自分の考えを冷静に検証する姿勢を持ち続けることも大切です」。さらに、運用は他のファンドマネジャーとの競争でもあることを考えると、負けず嫌いであることも大事な資質かもしれない、と中村さんは言います。
中村さんは、「株式市場を通じて、より良い社会づくりを手助けする」という信念を持って、仕事に取り組んでいます。「特に年金の運用では、遠い将来に渡り、より良い社会を形成してくれそうな企業に投資して、その企業の事業機会を増やしてあげることが使命だと思っています」。そういった意味では、ファンドマネジャーの社会的使命はますます大きくなっていると言えそうです。
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