|
森川さんの仕事は、「All About Japan」を構成する各分野のプロデューサーと協力して、サービス全体のコントロールを行うこと。「いわゆる雑誌の編集長業務とほとんど同じです」。「All
About Japan」特有のこととしては、ガイドの採用からマネジメント、ガイドのコンテンツを再編集したメールマガジンの執筆などを行っています。このメールマガジンが結構たいへんな仕事なのだとか。「250人のガイドがアップした記事の中から、イチオシのものを厳選して紹介しています。いろんな記事があって楽しいんですが、読むだけでも相当パワーがいりますね」。
森川さんは、1987年にリクルートに入社。旅行情報誌「エイビーロード」「じゃらん」の編集部を経て、結婚情報誌「ゼクシィ」の編集長に就任しました。「新しい事業を始めるので協力してほしい」と声がかかったのが、それから4年後のこと。それに対し、森川さんは「協力だけじゃなく、私に作らせてもらえませんか」と立候補しました。「ゼクシィには本当に思い入れがあって、我が子のようにかわいい本。でも35歳という年齢も気になっていて、私の人生の中で何かもうひと仕事をするなら、今しかない!と思ったわけです」。これからはインターネットというメディアにも編集者が必要と強く感じていたこともあり、これは絶好のチャンスだと思ったそう。
「All About Japan」の開設にあたって苦労したのが、情報を発信する「ガイド」のリクルーティング活動でした。「基本は公募なのですが、どうしてもないとおかしいテーマにガイドの応募がなかったりすると、足で歩いてスカウト活動に回りました」。もうひとつは、ホームページを作った経験がないガイドでも、手軽にサイトを作れる「仕組み作り」です。「私のようなアナログ人間が、システム担当者と一緒にゼロから作ったのだから、これはもう奇跡です!」。半年ほどの短い準備期間だったにもかかわらず、161名ものガイドを集め、昨年の2月にオープンを迎えました。
ウェブメディアのいいところは、ユーザーの反応が直に伝わってくること。「これは雑誌でも同じですが、あぁ、人が動いてくれたんだ、この情報が何かを変えたんだ、そう感じる瞬間は編集者冥利につきます」。編集者に求められる資質という点では、雑誌であってもウェブであっても、本質的には変わらないと森川さんは言います。「逆に今のウェブメディアには、雑誌の編集者のような、ユーザーニーズを感じ取る感性や情報感度、そして表現力が求められているような気がします」。
森川さんの編集者としてのモットーは「ミーハーであること」。「ニュースでもワイドショーでもファッションでも遊びでも。世の中のいろんなことに興味・感心が薄れたら、この仕事の辞め時だと思ってます」。それから「フツー感覚」を忘れないこと。「肩肘はって、仕事命!みたいなキャリアウーマンには絶対ならない(なれない?)と心に決めてます」。インターネット上には情報が無限にあり、そしてこの瞬間にもどんどん増殖しています。「でも、多くの人にとって必ずしも使い勝手のいいメディアにはなっていない。編集されてないからです。そういう意味では、一編集者として、やりがいを感じるメディアです」。
|