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歯科衛生士の役割をひと言で表すと「虫歯と歯周病の予防」。これに対して、歯科医師には「治療」、歯科助手は「診療介助」と役割分担があり、チームを組んで歯科治療にあたります。歯科衛生士の仕事内容は、大きく分けると3つ。専用の機械や器具を使って歯石や歯の着色を取ったり、虫歯にならないようにフッ素を塗ったりという予防業務と、歯の磨き方や、砂糖と虫歯の関係、喫煙と歯肉について説明する保健指導、そして、歯科医師の治療がスムーズに進むように行う診療補助です。清原さんはこのほか、必要ならば受付を担当したり、診療台の簡単な修理をしたりもします。
歯科衛生士に必要なのは、知識や技術だけではありません。「痛みや不安、歯科に対する恐怖心を持った人もいますから、人とのコミュニケーション能力が要求されると思います」。細かい手作業が多いので、もちろん多少の器用さも必要。でも、これらは訓練次第で能力を伸ばしていけると、清原さんは言います。
清原さんは、短大の英語英文科出身です。卒業後はアメリカの大学に留学したいという希望を持っていましたが、夢はかなわず一般企業にOLとして就職しました。その後、ひょんなことから歯科助手として働くことになり、これが歯科衛生士になる第一歩となります。「歯科で働くことが楽しくて、ずっと歯科医療に携わっていきたい、もっと確かな技術と知識を持って患者さんと接したいと強く感じたんです」。そこで、歯科衛生士の専門学校へ2年通い、歯科衛生士の免許を取得しました。
仕事をする上で苦心するのは、「どうしたら患者さんに継続して来院してもらえるか」ということ。「歯科衛生士にとっては、『いかに予防に熱心でない人のモチベーションを高められるか』が永遠のテーマで、挑戦しがいのある分野なんです」。清原さんが目指すのは、“マグネット・ハイジニスト”と言われる、磁石のように人を引きつけられる魅力的な歯科衛生士。「優秀な歯科衛生士だと、そこにいるだけで患者さんは安心し癒されるということがあります。私もいつかそのような歯科衛生士になれたらと思っています」。
清原さんには、歯科衛生士の先進国であるアメリカで働くという大きな目標があります。「以前留学したいと思っていたときは、アメリカへの憧れだけで具体的な目標がなかったのだから、夢が現実にならなかったのも当たり前。今は自分の本当にやりたいことがわかっているので、迷うことはありません」。目標達成のために、予防業務の技術の向上に加えて、英語力のブラッシュ・アップ、アメリカ人の歯科衛生士とネットを通しての情報交換などにも励んでいます。
「歯科衛生士は私の天職」と清原さんは言い切ります。「この職業を通して、5年後、10年後はこうありたいという、明確なビジョンが持てました。これは以前の私にはなかったこと」。さらに、患者さんと接することで得られる、感謝の気持ちや信頼感は、何事にも変えがたい喜びとも言います。「様々な年齢や職業、社会的な立場の方々と接する機会を持つことで、人間的にも多くのことを学ばせていただいています」。清原さんにとって歯科衛生士とは、常に前進する勇気と指針を与えてくれる、まさに生きがいと呼べる職業なのです。
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