【 file47 管理栄養士 】
健康に対する関心が高まり、サプリメントや健康食品を利用する女性が増えています。その一方で、生活習慣病の増加が問題になっている面も。今回は、管理栄養士の笠原由紀恵さんにお話を伺いました。
■■ プロフィール ■■

【 笠原 由紀恵さん 】

●管理栄養士歴 8年、30歳。
●夫、2人の子どもとの4人家族。


病気を予防し、健康を維持するために、病院や学校などで食生活のアドバイスをするのが栄養士。管理栄養士は、栄養士よりもさらに高度な知識を持ち、病気を治療するための栄養指導を行うなど、個人の健康状態に合わせた食生活を提案する専門職です。栄養士や調理師の調理業務を、指揮・管理する立場でもあります。多くの人に対して給食サービスを行い、特別に栄養管理に気をつけなければならない病院や福祉施設などでは、管理栄養士の設置が義務付けられているところもあります。

笠原由紀恵さんが管理栄養士を目指したのは大学生のとき。食が人に及ぼす影響の大きさを知ったのがきっかけでした。管理栄養士になるには国家試験があり、短大や専門学校で栄養士の資格を取得後、2年以上の実務経験を積んで受験資格を得るのが一般的。でも、笠原さんが通っていた4年制大学では、実務経験なしでも受験資格を得ることができました。そのため、笠原さんは在学中から試験勉強を始め、卒業するとすぐに国家試験を受けて、管理栄養士として働き始めました。

笠原さんが勤めているのは、地域に根ざした準総合病院。糖尿病や高血圧症、高脂血症などの生活習慣病をはじめとする、慢性疾患の治療を主としています。提供する食事は1日に約300食で、笠原さんが考えるメニューは15種類程度。「患者さんの病態はさまざまで、合併症を持った方も少なくありません。集団給食ではありますが、患者さん個人の状態に合わせて対応しています」。食材の発注・検収などの「材料管理」や「食費管理」、食中毒対策などの「衛生管理」も笠原さんの仕事です。

患者の食事内容を決めるのは医師。笠原さんはその指示に従ってメニューを決めます。減塩食やカロリー制限食などの治療食を提供している患者への「栄養指導」も、笠原さんの重要な仕事のひとつ。「退院後、自宅でも適切な栄養管理ができるようにアドバイスしています」。患者の栄養状態が改善されない、食事が進まないということがあれば、笠原さんが患者の好みを調査し、医師や看護師と連絡をとって、改善策を考えることもあります。

管理栄養士の就職先としては、病院のほか社会福祉施設、食品関連企業、保健所などがあり、特に福祉施設の求人が増加傾向にあります。ところが、管理栄養士として就職しても、実際には栄養士と同じ仕事を行う職場も多いのだそう。「管理栄養士という職業が社会的に認知されるよう、さらなる努力が必要だと痛感しています」。平成14年に行われた栄養士法の改正で、あいまいだった栄養士と管理栄養士の定義が以前よりも明確になったため、今後は状況が変わっていくのかもしれません。

病院の食事といえば、まずい・冷たいといったマイナスイメージを持つ人も少なくないはず。「それを払拭して、患者さんのQOL(Quality Of Life=満足のいく生活をおくる)向上のお手伝いをするため頑張っています」。今後は、「フードコーディネーター」の資格を取得するという目標を持っている笠原さん。「臨床栄養の分野にとどまらず、幅広く食と関わっていきたいと考えています。目指すのは“食のエキスパート”です」。

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