|
「フードコーディネーター」は「食」のスペシャリスト。活躍の場は、レストランの全般的なプロデュースやメニュー開発、食品メーカーでの商品開発、料理教室の講師などさまざまです。フードコーディネーターの橋本美和さんは、その中でも主に、写真撮影用に料理へ演出を施す「フードスタイリスト」として活躍しています。食品のCM撮影、デパートのギフトカタログで使う写真撮影などの仕事も多いとか。
撮影の仕事では、広告会社やカメラマン、デザイナーとの打ち合わせからスタート。デザイナーのイメージを元に、食材や食器を揃えます。「テーブルクロスやグラス、お箸、お花も用意するので、撮影の準備には一日かかります」。現場では、料理、テーブルセッティング、ライトの熱でしなびた野菜の取り替えなどこまごまとした作業のほか、要望に応じてセッティングの変更を行うなど、臨機応変な対応を求められることもあるそう。
橋本さんが現在の仕事を始めるきっかけになったのは、知人の誘い。最初は、ファッションスタイリストのアシスタントとして働き始めました。もともと料理が好きだった橋本さんは、そこからフード専門のスタジオに転職。現場での経験を積み、民間の資格である「フードコーディネーター
3級」を取得。独立して「ゴナージ」を設立しました。
一見、華やかに思える橋本さんの仕事ですが、体力勝負の一面もあります。「裏方の仕事なので地味ですし、早朝から深夜に及ぶ撮影が続くと、体力、忍耐力、全神経を使い果たしてしまいます」。また、撮影現場には多くのスタッフが集まるので、人間関係には特に気を遣うのだそう。「スタッフは全員、その道のスペシャリスト。まとまるとすごい力が出るのですが、歯車がかみ合わないと、ちぐはぐになってしまいます。ですから、現場では十分なコミュニケーションが取れるように、心がけています」。
収入は月によって変動があり、安定していません。「同業のフードコーディネーターの中には、アルバイトをしている人もいます」。休みもショップ巡りをして、食材やイメージに合う食器がどこで手に入るかをチェック。「毎日が仕事のようなものですが、趣味が仕事になったようなものなので苦ではありません」。
フードコーディネーターになる上で役立つ資格といえば、「フードコーディネーター資格認定試験(日本フードコーディネーター協会認定)」が代表的。毎年秋に筆記試験が行われています。橋本さんはこの資格に加えて、昨年スタートした「テーブルコーディネーター資格(食空間と生活文化ラウンドテーブル認定)」も取得。さらに、「ファッションコーディネート色彩能力検定(文部科学省認定)」の合格も目指しています。
フードコーディネーターに向くのは、料理が好きで、「食」に関心がある人。フードコーディネーターを目指すのなら、実践を積みながら仕事を覚えるのが早道です。「料理の講師やフードコーディネーターのアシスタントになって、仕事をしながら技術や知識を身につけていくのがいいと思います」。
|