【 file66 フラワーデザイナー 】
美しい花には、人々の心を引き付ける魅力があります。今回は、フリーのフラワーデザイナー、すずき香代さんにお話を伺いました。
■■ プロフィール ■■

【 すずき 香代さん 】

●フラワーデザイナー歴1年4カ月。34歳
●ネットショップ「avec fleur(アベック フルール)」主宰。グリーンを多用する、パリスタイルのアレンジメントが得意。


【フラワーデザイナーの仕事内容】

ウェディング会場やレストランのディスプレイ、料理やインテリア雑誌のグラビア、さらには、母の日や誕生日に、気持ちを込めて贈られる花束やアレンジ……。私たちの日々の暮らしを、華やかに彩ってくれる花々。フラワーデザイナーは、それぞれのシーンにふさわしい花を選び、美しく飾り付けて、空間を演出するスペシャリストです。

すずき香代さんが手がけるのは、花嫁のブーケを始めとするブライダル関連の装飾。結婚式は週末に行われることが多いので、すずきさんも週末は大忙しなのだそう。また、カフェやエステティックサロンなどの店舗や、企業の受付、社長室、ショールームなどの飾り付けも担当。花の仕入れからデザイン、納品まで一人で行っています。納品は、自宅兼アトリエで制作したものを持ち込んだり、宅配することもあれば、現場で生け込むことも。さらに、週に1〜2回程度カルチャースクール等の講師も務めています。


【フラワーデザイナーへの道】

フラワーデザインを学ぶには、スクールへ通う、フラワーデザインに力を入れているショップに勤務して経験を積む、といった方法があります。そしてフラワーデザイナーには、すずきさんのようにフリーで働く人もいれば、ショップに勤務する人もいます。特にフリーで働く人の中には、「趣味でフラワーアレンジメントを学ぶうち、花の魅力に夢中になり、会社員からの転職を決めた」という経歴を持つ人も多いようです。

花に関する資格は数多くあります。その中でも全国的に認知されているのが、(社)日本フラワーアレンジメント協会が主催する「フラワーデザイナー資格検定試験」。認定スクールで一定のカリキュラムをこなすと受験資格が得られます。初級にあたる3級の場合、準備期間の目安は半年〜1年程度。学科試験と、その場でアレンジメントを制作する実技試験とがあります。

すずきさんの前職は、テレビ番組のディレクター。花に関心を持ったのは、7年前に大病をしたときのことでした。「闘病生活の中、植物の生命力に何度も癒されました」。それをきっかけに、独学でフラワーデザインの勉強を開始。特にフランス風のアレンジに興味を持ったすずきさんは、当時2歳だった子どもを連れて、1年間のパリ留学を決行するまでに。留学中に、フランス国立園芸協会が認定するフラワーアレンジメントの資格「DAFA1」を取得。帰国すると、ホームページの作り方を勉強してネットショップを開き、そこを拠点に活動を始めました。


【すずきさんの一日】
6時: 起床。家族の朝食作り
8時: 子供を保育園に送り、そのまま花市場へ仕入れ
14時: 仕入れた花材の水切り、昼食
15時: スクールで使うレッスン用のアレンジの制作、写真撮影
18時: 子供のお迎え、買い物
19時: 夕食作り、夕食
21時: 入浴、子供と遊ぶ
23時: 就寝

※ブライダルの予約は週末に入ることが多く、また、複数の予約が重なることも多いため、前日の夜は超多忙。多忙な日と、そうでない日の差が大きいのが、すずきさんの仕事の特徴。

【すずきさんにお話を伺って…】

すずきさんの仕事場は、自宅を兼ねたアトリエ。実店舗は開いていないため、オーダーはホームページか、口コミで入ることがほとんどです。また、昨年ウェディング雑誌で紹介されたことをきっかけに、雑誌を見た人からの問い合わせも増えているのだそう。

フラワーデザイナーという仕事の魅力は、「生命のある美しいものを、さらに美しく見せるようにお手伝いできること」。収入の面では「まだ、花の仕事だけで生活するのは難しい状況」ですが、大好きな花やグリーンを思う存分扱えること、植物が持つ生命力を感じながらできる仕事は、すずきさんにとって大きな魅力です。「もっと実績を積み、『お花はすずき香代のデザインでないと』というファンの方が増えてくだされば、利益も増えると思います」。

小さな子どもを持つすずきさんにとって、仕事と子育ての両立は大きな課題。多忙な日々を送りながらも、「毎日30分は子どもと思い切り遊ぶ」「週に1日は仕事を休んで一緒に過ごす」など、子どもと関わる時間を確保するように心がけています。それは、すずきさんが「フラワーデザイナーの仕事を長く続けていきたい」と思っているからこそ。「子どもの成長に合わせながら、少しずつ仕事を展開する『スロービジネス』的な考えでいくと、無理なく続けられるのではないかと思っています」。

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