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カフェオーナーになる方法は人それぞれ。接客業の経験があるに越したことはありませんが、未経験からスタートする人もいます。カフェブームを反映して、経営のノウハウが学べる本やスクールも数多く登場しています。
「結婚しても、長く続けられる仕事がしたい」と考えていた渡辺さん。大学卒業後は、塾の講師や新聞社の契約社員として働きながら、将来を模索していました。漠然と感じていた「自分のカフェを持ちたい」という思いを決定的にしたのが、新聞社の仕事で、あるフランス料理店を取材したときのこと。その店は、古い民家をオーナーも加わって改築したもので、落ち着きのある暖かい雰囲気にあふれていました。「私もこんな店を作りたい」と思った渡辺さんは、新聞社の契約期間を終えると、そのフランス料理店で働くことになりました。
働き始めた店で、渡辺さんは接客を担当。「フランス料理ですから、前菜、メイン、デザートがあり、ワインを出すこともあります。テーブルの状況を常に把握していなければならず、とても勉強になりました」。また、フランスで本格的な修行をしたオーナーシェフの店だったため、料理に対する姿勢は見ているだけでも刺激にななったそう。「料理だけでなく、パンもイチから作っていました。私が手作りにこだわるのは、その影響です」
それから1年過ぎたところで、自分の店作りを実行に移すことにしました。店舗は父が所有している建物の空室を利用。会社の事務室だったその部屋を、渡辺さんは自分でカフェにリフォームしました。「思い通りの店にするには、自分で作るのが一番。時間はたくさんあったので、全部自分でやろうと決めたんです」。DIYが趣味の叔父や、店作りの経験がある知人にアドバイスを受けながら、カウンターを作り、壁を塗装し、床を貼り替え、押し入れを洗面台に改造。「やってみると、意外に楽しい作業でした。空調やガスなどの設備は業者に依頼しましたが、それ以外はすべて手作りです」
週末のみアルバイトをしながら、昼はリフォーム作業、夜はネットショップで、リフォームに必要な洗面台や備品を探す日々。勤めていたときの貯金約250万円を使い、1年もの時間をかけて、イメージどおりの店を作り上げました。
カフェを開くには、食品衛生責任者の資格を取得し、飲食店営業許可を受ける必要があります。食品衛生責任者は、保健所などが行う講習会に参加するだけで取得できる資格。渡辺さんも1日の講習を受けて取得しました。飲食店営業許可は、保健所の担当者が店を訪れ、施設が基準を満たしていることを確認したうえで交付されます。渡辺さんのカフェは、最初の検査で換気扇や照明が規定に合わないことを指摘されましたが、その箇所を改善することで、オープン2日前に営業許可が下りました。
そして、2004年4月に店をオープン。「女性が一人で作ったカフェ」ということで、タウン誌やテレビなどで広く紹介されたこともあり、お店は2カ月ほどで軌道に乗りました。
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