【 file73 マーケッター 】
製品を開発したり販売戦略を練るときに、重要なバックボーンとなる「マーケティング」。今回は、マーケッターの今津美樹さんにお話を伺いました。
■■ プロフィール ■■

【 今津 美樹さん 】

●マーケッター歴16年。41歳。
●PRおよびマーケティングを請け負う会社「WinDo's(ウィンドゥース)」代表。ITアナリストとしても、執筆活動などを幅広く行っている。社会人大学講師も。


【マーケッターの仕事内容】

市場にはどのような需要があり、どう展開すると効果的に販売できるかを探るのがマーケッターの仕事です。具体的には、製品に関する市場調査や競合商品の分析、顧客情報の分析などを行い、「どういう商品を作ったら売れるのか」「どのように宣伝すれば売れるのか」といった施策案を作り、実施へと導きます。今津さんの主なクライアントは、日本市場に初めて参入する外資系IT企業など。「最近は、WebやメールなどのIT技術を活用した戦略の立案やコンサルティングを行うようになってきました」


【マーケッターへの道】

マーケッターになるために特に資格はいりませんが、「経営戦略全般を把握するために、MBAや中小企業診断士の資格などは、とっておくと役に立つかもしれません」。マーケティングの手法については、大学などでマーケティング論や社会学、統計学といった基礎知識を学んだうえで、実践を通して技術を磨いていくのが一般的です。

もともとコンピュータソフトの技術者だった今津さん。しかし、市場の動きともっと密接に関連した仕事がしたいと考え、マーケッターの仕事に関心を持つようになりました。その頃ちょうど、某外資系IT企業が技術的なバックグラウンドのあるマーケッターを探していることを知って転職。海外ソフトウェア製品のマーケティングを担当しました。「大学では社会心理学を専攻し、社会学は勉強済みでしたが、実践的なマーケティングの手法は、外資系IT企業で叩き込まれたものが今でもベースになっています」

その後、複数の米国系IT企業でマーケティングを担当。これが今津さんの第二の転機となったのです。一般的に、企業でマーケティングを担当する場合、部署が分かれているために、マーケティングの分野すべてを経験することはまれなのだそう。しかし今津さんの場合、「勤めた企業がベンチャーだったおかげで、調査・分析から、広告展開などの策定、実施に至るまで、マーケティングに関する、ありとあらゆる仕事を担当しました」。このため、今津さんはマーケッターとして独立するだけのスキルを積むことができました。

現在は、マーケティングの経験を生かして、ITアナリストとしても活躍しています。「取材・執筆活動を通して、最新のIT動向に触れる機会が多く、マーケッターとしての活動に非常に役立っています」


【今津さんの一日】
5時半: 起床
6時: 朝食と身支度
6時半: ラジオでニュースをチェックしながら車で出勤
7時半〜8時: オフィス到着
8時〜9時半: メールへの回答や本日の作業内容の確認
10時半: クライアント企業と打ち合わせ
12時: 昼食
13時: クライアントが開発している新製品などの取材
15時半: 帰社、メールチェック
16時半: 打ち合わせ
19時: メールチェック
20時: 企画書や原稿の執筆
23時: ネットでニュースのチェックなど
24時すぎ: 就寝

【今津さんにお話を伺って…】

知識豊富で、マーケティング理論に長けている人が優秀なマーケッターになれるわけではありません。知識は後からの勉強でカバーすることができます。それよりも必要とされるのが、他の部署やメンバーと連携しながらプロジェクトを進める“バランス感覚”。「料理にたとえるならば、いろいろな素材を組み合わせて、複数のレシピを同時に調理し、最適なタイミングでお客様に提供する――こういった、緻密で大胆な計算ができなければいけません」。また、マーケティングには、唯一の完璧な回答というものがないために、試行錯誤し、ベストな方法を見つけ出そうという姿勢も必要です。

収入は、給与が高い業界であるコンピュータ会社勤務の時からすると、やや下がったそう。「とはいっても、マーケッターの仕事は、収入より満足度がモチベーションの大半を占めます。仕事内容にはとても満足しているので、やりがいも大きいです」

イベントやプレス発表など晴れやかな場面で活躍していると誤解されがちなマーケッター。実際は業務の80%が、情報を集めたり分析したりといった、地道で目立たない仕事なのだとか。「企業活動にとって重要なマーケティングですが、その重要性をあまり理解していない企業が多い」というのも、意外なところです。

苦労の連続とはいえ、マーケッターはとても刺激のある仕事。今津さんは「クライアントの成功が、我々の成功」と語ります。「初めて日本に上陸した企業が、オープニングイベントで多くのお客様に歓迎され、市場での成功を収めたときは最高の気分になります」


◎ <今津さんのブログ> wisdom Blog:IT活用マーケティングの現実
 
http://www.blwisdom.com/blog/imazu/


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