【 file74 ラジオパーソナリティ 】
秋の夜長、就寝前のひとときを、ラジオから流れる音楽とともに過ごしている方も多いのでは。今回は、ラジオパーソナリティの鹿島田千帆さんにお話を伺いました。
■■ プロフィール ■■

【 鹿島田 千帆さん 】

●ラジオパーソナリティ歴19年。38歳。
●仕事に生かすために、4輪の国内A級ライセンス(JAF認定)や、ワインコーディネーター(全日本ソムリエ連盟認定)などの資格も取得。現在は、国立宇都宮大学の社会人大学院生として、音声に関する研究にも取り組んでいる。


【ラジオパーソナリティの仕事内容】

ラジオ番組の進行役をつとめながら、心地よい音楽や旬のニュースを届けてくれる、ラジオパーソナリティ。ラジオ局のアナウンサーのほか、タレントや文化人などが番組を受け持って、一人一人の個性を生かした番組を作り出しています。鹿島田さんの場合は、栃木県のラジオ局「FM栃木」に勤務するアナウンサー。生放送番組や録音番組を受け持っているほか、定時のニュースも担当しています。

放送以外の時間帯には、原稿を書いたり、国内外への取材活動も。さらには、番組編成会議や、レコード会社の担当と新人アーティストの発掘の打ち合わせなど、放送番組に関わるさまざまな仕事を行っています。


【ラジオパーソナリティへの道】

鹿島田さんが、「話す」仕事を初めて意識したのは大学生のとき。東京モーターショーのナレーターコンパニオンのアルバイトをつとめたときからでした。その後、ラジオのオーディションも受けて合格。大学に席を置きながら、放送司会などのアルバイトをしていました。さらにサンフランシスコに短期留学していた折、生き生きと働くFM局のDJの姿を目にして、「自分の進む道はコレ!」と思ったのだそう。

しかし、大学卒業後、すぐに結婚。地方に移り住むことになりました。「話す」仕事を続けたいという気持ちから、オーディションなどの情報を手に入れやすい、タレント事務所に所属。週に 1回程度上京し、ラジオやイベントの司会をこなしながら、英語講師をしたり、ピアノの先生をしたりという不安定な状況が続きました。

そんな生活を送る中で、地元にFM局が開局するというニュースを耳にしたのです。時すでに27歳、1歳の子どもがいるという状況でした。でも、「どうしても放送局で仕事したい」という気持ちから、思い切って入社試験に挑戦。最終面接では、子どもがいることを正直に伝えた上で、晴れて合格しました。

ラジオ局アナウンサーの採用は、大変狭き門。多くの応募者の中から選ばれるためには、的確な日本語を話せるというだけでなく、外国語の能力も強みになります。コミュニケーションが必須という仕事柄、語学は重要な要素となるのです。そのほか、「他人にはコレだけは負けない」というプロフェッショナルな知識を持っていることも重要でしょう。鹿島田さんが、A級ライセンスや、ワインコーディネーターという資格を取得したのも、番組の取材や特集を通して、「もっとその本質に触れてみたい」という気持ちを抱いたからです。


【鹿島田さんの一日】
<ラジオ収録がある日の場合>
6時半: 起床。新聞に目を通す。朝食等の準備
7時半: 洗濯、身支度
8時: ネットニュースをチェックしながら生放送のための情報収集
9時: 出勤、通勤途中にコンビニに寄り、新しいネタのチェック
10時: 会社に到着。ディレクターと打ち合わせ
11時: 新聞記者と県内の最新ニュースを打ち合わせ
12時: 当日の原稿のチェック。オンエア曲などを確認
12時半: 発声練習
13時: ラジオ生放送スタート
16時: 16時:番組終了
16時半: 次週コーナー収録
18時: 事務仕事
19時半: 帰宅
20時: 夕食、団らん
23時: 大学院の宿題。レポート制作
25時: 就寝

【鹿島田さんにお話を伺って…】

ラジオ局に勤めるようになってから、当初は片道 2時間半以上という通勤時間や、子どもの保育の問題など、大変な状況が続きました。特に小さい規模の放送局の場合、自分の代役がいるわけでなく、簡単には休めません。自分自身の体調管理は言うまでもないことですが、子どもの病気というアクシデントにも対処しなければなりません。39度という高熱の子どもを残して、泣く泣く出勤した日もあったそうです。「でも、この辛さは人生においては“ほんの”一瞬なのです。仕事をしているお母さんには、ぜひとも踏ん張ってほしいと思います」

現在鹿島田さんは大学院の工学研究科に通って、音声の研究をしています。「心地よい声って?」「一体どんな声で話せばリスナーの心に響くのだろう?」という疑問から勉強を始めました。周囲からは「その年齢になって、文系から理系への転向は、なんて無茶な!」と言われながらも、充実した日々を送っています。大学は学会や企業と直結しているために、最新情報が手に入るという点でも役に立っているのだとか。「まだまだ先は長いのですが、頑張って博士号を取りたいと思います」


◎ 鹿島田さんの担当している番組「B-CAFE」のホームページ:FM栃木
 
http://www.berry.co.jp/fm764/cafe/

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