【 file75 フォトグラファー 】
思わず目を引きつけられる、雑誌のグラビアや広告の華やかな写真。それを撮影しているのがフォトグラファーです。今回はフリーのフォトグラファー、須藤夕子さんにお話を伺いました。
■■ プロフィール ■■

【 須藤 夕子さん 】

●フォトグラファー歴7年。31歳。
●雑誌や広告を中心に活躍するフリーフォトグラファー。ライフワークは、子どもたちの笑顔を撮影すること。今年は、ニューヨークやパリで撮影した作品を紹介する個展、「笑顔の足跡展」も開催した。


【フォトグラファーの仕事内容】

フォトグラファーの仕事は、撮影の目的によってさまざま。結婚式やイベントの撮影をする人もいれば、風景や動物写真を専門にする人、新聞社で報道写真を撮る人、さらには芸術写真を撮る人もいます。その中でも需要が高いのが、雑誌やカタログ、広告ポスターなどの商業写真の分野。働き方としては、広告代理店編集プロダクションに所属したり、フリーで活動して出版社などからの依頼で撮影するなど、こちらも多種多様です。

須藤さんの場合は、雑誌や広告の撮影が中心。ファッション誌のインタビューでタレントの撮影をするほか、情報誌で温泉旅館や料理の撮影をしたり、コスメやアクセサリーのイメージカット、ペット専門誌での動物の撮影など、ジャンルを問いません。映画配給会社からの依頼で、タレント専属のオフィシャルカメラマンとしても活動しています。撮影はスタジオで行うほか、ロケへ出ることも多く、海外での撮影も頻繁にこなしています。


【フォトグラファーへの道】

20歳のとき、内装デザインの会社に契約社員として勤めたのが、須藤さんの社会人としての最初の一歩。ところが、会社側の都合により半年で解雇。写真が趣味だった須藤さんは、平日は派遣社員として勤めながら、週末に、小学校の卒業アルバムの撮影を手伝うアルバイトを始めました。須藤さんはこのときに初めて、写真の専門的な技術を学んだそう。

その後、編集プロダクションにフォトグラファーとして就職。企業の社内報やパンフレットの写真を撮り、経験を積みました。フリーになったきっかけは、あるファッション誌のインテリア特集で取材を受けたこと。それが縁となって、その雑誌で撮影することになり、さらに編集者の紹介を重ねて、次々に仕事を依頼されるようになったのです。「フリーになったのは、自分を追い込みたかったから。自分の力がどこまで通用するか試したいと思ったんです」

写真の技術そのものは、専門学校や通信教育、さらには独学で身に付けることも可能です。でも、そうして身に付けた知識が、そのまま現場で通用するわけではありません。「趣味」から「仕事」へステップアップするには、現場で経験を積むことが大切。そのためには、「プロのアシスタントにつく」「編集プロダクションに就職する」などの方法があります。「とにかく実践あるのみ。知識だけあっても何も撮れません」

また、プロが使う撮影用の機材はとても高価。中には、借金をして買う人もいるそうです。須藤さんが以前、平日も週末も休みなしで働いていたのは、生活のためだけでなく、機材の費用を捻出するため。それに加えて、アルバイトをかけ持ちしたこともあります。


【須藤さんの一日】
6時: 起床
7時: ロケバスが迎えにくる
8時: ロケ先で撮影
12時: 昼食
14時: スタジオで撮影
18時半: 現像所にフィルムを届ける。前日に撮影した写真を受け取って編集部に納品
21時: 編集者や友人と夕食
24時: ホームページの更新。翌日撮影するタレントのサイトなどをチェック。その後、就寝

【須藤さんにお話を伺って…】

「決められた場所と限られた時間で、どう表現するか」が、フォトグラファーの役割。「現場でどう立ち回るか、被写体の良い表情を引き出すにはどうすればいいか。それがいちばん難しいところです」。また、大きくて重い機材を自分で運ばなければならず、時間も不規則なため、体力的にもハード。「どんなに疲れていても、自分で精神状態をコントロールしてテンションを上げないと、いい写真は撮れません」

撮影には、編集者やスタイリストなど、多くの人が関わります。その中で、「全員の期待を裏切らない写真を撮る」というプレッシャーに耐えられる、精神的な強さも必要。「普段からみんなに頼られている人、現場の雰囲気を盛り上げるムードメーカーになれる人。そういうカリスマ性のある人が、フォトグラファーに向いていると思います」

絶叫マシーンやパラグライダーでの撮影、夜の歌舞伎町での取材など、さまざまな現場を経験している須藤さん。でも、「カメラを持つと、不思議と怖くない」のだそう。「『いい』と思った瞬間はもう遅いんです。『いい瞬間がくるかも!』と予測しないといけません」。須藤さんにとって、現場はいわば「戦場」。「とにかく、首を捕って帰ってこないと意味がないんですよね。いい写真が撮れなくて、『頑張ったんですが……』と言っても許されない世界。結果がすべてです」

須藤さんの作品。ニューヨークで撮影
(C)Sudo Yuko


◎ Photographer Sudo Yuko's web-site
 
http://sudoyuko.com/


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