橋本さんが勤務する自動車教習所で、指導員として働いているのは25名。女性はそのうち3名です。橋本さんとしては、女性指導員はどうしても「ナメられる」ことが多いと感じるそう。また「女性指導員=優しい」という先入観があるためか、男性指導員と同じことを言っても「キツイ」「厳しい」と受け取られることもあります。そして、女性が増えてきたとはいっても、職場の雰囲気は男性中心。「男性の補助的な役割を求められることが多いので、その点ではもの足りなさを感じることもあります」
勤務時間の定時は正午から21時まで。定時より前が残業時間になる「前残業」で、9時〜10時頃から21時まで勤務することが多いそう。勤務時間と仕事内容のバランスを考えると「収入は少ないと感じます。残業をしないと生活費が足りないくらい」(橋本さん)。でも、仕事のやりがいは大きいそう。「交通事故が減ると、間接的ではありますが、地域社会に貢献できているという実感がわきます」。
教習生が運転する車に同乗して教習を行うには、運転の技術や知識だけでなく、的確な観察力や洞察力が必要です。「教習生の視線に注意を払いつつ、周囲の交通状況の変化にも目を向けて、ミスがあってもすぐカバーできなくては指導員は務まりません」。また、教習生との信頼関係を築くことも大切。「この先生はよくわかってくれている」と感じてもらえれば、教習はスムーズに進み、上達や理解も早くなります。
少子化の影響もあり、厳しい経営を迫られている自動車教習所。教習生を集めるために、サービスの向上に努めている学校も多々あります。ただ、車の運転は常に危険と隣り合わせ。一度の事故で人生が変わることさえあります。「この仕事は『接客業』『サービス業』であるとともに、『教育機関』であることも忘れてはいけないと思います」 |