【 file82 内科医 】
最近増えている“女性専門の外来”。女性医師が診察してくれるので、女性特有の症状や体調の不安について、気軽に安心して受診できます。今回は、内科・女性総合外来のクリニックを開院している北浦奈由(なゆき)さんにお話を伺いました。
■■ プロフィール ■■

【 北浦奈由さん 】

●内科医歴8年。33歳。夫と子どもとの3人家族。
●兵庫県尼崎市の内科・女性総合外来「奈由クリニック」院長。実家の病院で診療もしている。


【内科医の仕事内容】

「デリケートな話題だから、男性医師には相談しにくい。できれば、女性の医師に診てもらいたい」「なんとなく具合が悪いのだけれど、何科に行ったらいいのか分からない」――こういった女性の悩みに応えるために、“女性専門の外来”を置く病院が増えています。「女性医師」による診察が原則。内科医が中心となるもの、内科・産科・精神科など複数の科の医師が連携するものなど、形態はさまざまです。

北浦奈由さんは、内科・女性総合外来クリニックの院長。クリニックでは、呼吸器、循環器、消化器を専門とする4人の女性内科医のほか、皮膚科の女性医師が診察にあたっています。北浦さんは、日中は実家の病院での診察や往診を行い、午後からクリニックへ。症状によっては専門の病院を紹介し、希望する人には、女性医師に診てもらえるように連絡します。


【内科医への道】

北浦さんの実家は、内科・外科・整形外科など7つの診療科目のある病院。家業を継がなければという責任感と、人の役に立つ仕事に就きたいという願いから、自然に医師を目指しました。医大に進み、呼吸器内科を専攻。内科を選んだのは、「全身を診ることができる医者になりたい」という思いがあったから。また、手術などで時間が拘束される外科に比べて、出産や子育てとの両立が比較的しやすいという理由もあったのだそう。

そして、大学病院での研修後、実家の病院で一般内科を担当するうちに、女性患者の痛みが分かる女性医師の必要性を痛感。女性スタッフ中心の女性総合外来の設立を考え、賛同した大学時代の仲間とともに、2003年12月、クリニックを開院しました。

女性医師の必要性が社会的に認められ、医師を目指す女性が増えている一方で、定着率は低いのが実情です。これは、勤務が過酷で、産休や育児休暇を取りづらいから。そんな中、女性医師同士が協力しあって、勤務体制を整備し、長く続けられるようにしようという動きが広がってきています。全国的に“女性専門の外来”が増えてきている背景には、こういった事情もあるのです。


【北浦さんの一日】
6時: 起床。お弁当作り
7時: 朝食
8時: 幼稚園へ見送り
9時: 出勤
19時: 帰宅
20時: 夕食。子どもとお風呂&寝かしつけ
22時: 自分の時間(晩酌)
24時: 就寝

【北浦さんにお話を伺って…】

“診察を受ける”ということは、赤の他人に心身に関するプライベートな話をするということ。ただでさえ、症状を包み隠さず伝えるのは難しいものです。ましてや男性医師だと、“異性には話しづらい”“女性とは体の構造が違うから分かってもらえないのでは”と躊躇してしまうことも。「開口一番“女の先生でよかった”とか、“女の先生じゃないと話せなかった”などとおっしゃってくださる方が、想像していたよりも随分多いです」

働く女性には、心身に少しでも違和感を感じたら、できるだけ早く受診するよう伝えているとか。「働いていると、精神的にも体力的にも、かなりのストレスにさらされます。危険信号を見逃したり、もう少しだけ頑張ろうと思っていると、その間に重症化することも。治療に時間がかかり、せっかくの仕事を辞めることになっては悲しいですね」

実際、“話をしただけで楽になり、症状がなくなった”という人も結構いるのだそう。「クリニックや病院に来られた方が、元気になって帰られる姿を見ると、何とも言えない充実感と喜びが湧いてきます」


◎ 奈由クリニック
http://www.nayuki-clinic.com/

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