【 file94 貿易実務 】
貿易実務は、英語などの語学力が生かせることで人気の高い職種です。今回は、海上貨物・航空貨物事業などを展開する大手物流サービス企業にお勤めの、越川牧子さんにお話を伺いました。
■■ プロフィール ■■

【 越川牧子さん 】

●貿易実務歴7年。29歳。
●プライベートでは、ウェイクボードなどを楽しむ一方、エレクトーンは20年のキャリア。屋外ステージでの演奏もこなし、今後はブライダルでの演奏にも挑戦していきたいとか。


【貿易実務の仕事内容】

海外との輸出入に関する、物(商品)・金(代金など)・紙(契約書類など)の3つの流れについて、事務的な処理を行うのが貿易実務。越川牧子さんは、主に自動車関連部品の輸出入に携わっています。たとえば貨物の出荷依頼を受けると、どの輸送手段が適しているのかを判断し、船会社または航空会社に連絡して、荷物を積むスペースを確保。同時に貨物引取・通関・積み込みや荷下ろしを現場に依頼します。出荷後は、貨物が現地納品先に到着するまでトレース(追跡)。「きちんと搭載されたか、輸送に遅れが出ていないか、常に気を配っていなければなりません。小さなミス、少しのタイミングの遅れも大事に繋がります」

海外取引では、機転を求められる場面がたびたびあります。「北米などは港で陸揚げ後、鉄道輸送に切り替わります。ところが、現地の積雪などで、鉄道が止まってしまうことがあるのです。そんな場合は、現地にある在庫でカバーしたり、緊急度が高い場合は航空便で代替品を送ります」。9.11以降は、輸出入に関する国際基準が厳しくなったそう。特に北米発着・経由の貨物には『AIR貨物で人が隠れられる大きさの物には開扉検査実施』など、厳しいルールが課せられているのだとか。「一つ一つ正確に迅速に対応し、お客様の貨物を間違いなく届けなければならないので、非常に責任が重い仕事です」


【貿易実務への道】

越川さんは、大学のゼミで物流・貿易を勉強していましたが、就職については超氷河期と言われた時代。1つは国家資格を持ちたいと、大学3年生の時に通関士合格講座のある専門学校にも5カ月間通い、難関の「通関士資格」を取得しました。

通関士試験は、関税に関する法律がメイン。「毎日欠かさずテキストを開いてモチベーションを高く保ち、過去問を繰り返し解きました。試験の実施時間に合わせ、直前には朝型学習への切り替えも。自分に合った勉強方法を早いうちに確立してしまう事が合格への近道でしょう」

その後、入社時から希望通り貿易業務に配属され、現在まで同じ部署で経験を積んでいます。

輸出入業務は、貿易商社はもちろん、製造業、百貨店などの流通・販売業においても広く行われています。貿易実務に就くのに有利な資格は、通関士のほかに、民間の日本貿易実務検定協会が行う「貿易実務検定」などがあります。

英語力については、採用条件として、英検2級程度を必要とされる場合がほとんど。しかし、実際の仕事上では、貿易・金融に関する商業英語を主に使用することになります。経験を積みながら学ぶことも多いとか。


【越川さんの一日】
7時: 起床
9時: 出社。海外現地とのカンファレンスコール(電話会議)
11時: メール対応
12時: 昼食
13時: 船積み手配、見積り対応、船会社との運賃交渉
19時: 退社
20時: エレクトーンのレッスンなど プライベートを楽しむ時間
23時: 帰宅
25時: 就寝

【越川さんにお話を伺って…】

貿易実務には、事務処理の正確さが必要です。越川さんにも入社当時、輸入貨物の納品先を間違えてしまったという苦い思い出が。「それ以降はすべての物事に対して、必ずダブルチェックするようにしています」。また、電話でのやり取りが多いため、コミュニケーション能力も大切。語学スキルについては、「英語は苦手意識がなければ大丈夫です。仕事で使う英語はほぼ決まってくるので、心配はありません。ただ、もっと話せれば早く解決するのに、と思うことはよくありますが」

日経ウーマン本誌06年11月号のアンケートでも、貿易実務(事務)は仕事満足度ランキングで総合4位、事務系職種では1位となっています。「梱包会社・現場・海外などさまざまな場所で働いている人との連携プレーを日々実感でき、とてもやりがいがある仕事です。スケジュール的に非常に厳しい日程での配送を依頼され、現地と調整し、何とか納品完了したときの、お客様からの感謝の言葉には感動しました」

 

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