【 file96 グランドスタッフ 】
空港での顔となる存在の「グランドスタッフ」。今回は、成田国際空港でANAの国内線を担当している佐藤奈理子さんにお話を伺いました。
■■ プロフィール ■■

【 佐藤奈理子さん 】

●グランドスタッフ歴8年。29歳。
●「失敗したりお叱りを受けたりなど、仕事が辛いと思うことも。それでもこの仕事を続けていられるのは、親身に話を聞いてくれる同期や、時には厳しく指導・アドバイスを頂ける先輩・上司がいるおかげだと思います」


【グランドスタッフの仕事内容】

グランドスタッフといってすぐに思い浮かぶのは、搭乗手続きを行う仕事。もちろん、そのような表に見える華やかな部分だけではなく、空港内のあらゆる場所で、縁の下の力持ち的な仕事にも携わっています。

佐藤奈理子さんが所属しているのはANAエアサービス東京の旅客サービス部。こちらの部門では、国内線、国際線、ANAと提携している外国航空会社に関する業務のほか、空港ラウンジ、到着時の手荷物など、成田国際空港における、さまざまなグランドスタッフ業務を担当しています。

佐藤さんが担当している国内線の仕事で重要なのが、綿密なプリパレーション(準備作業)とブリーフィング(討議)。また、緊急事態での対応能力も必要です。たとえば天候不良などで便の到着が遅れた場合、その後の交通手段の手配などには、迅速で的確な判断が必要になります。「国内線から国際線に乗り継ぐお客様の場合、到着が遅れて乗り継ぎ時間が短くなればなるほど、時間との戦いとなってしまいます。いろいろな航空会社へ連絡をとって交渉しますが、冷や汗をかきながら業務を行うこともしばしばです」


【グランドスタッフへの道】

家族の仕事の都合で、幼い頃から飛行機を利用する機会が多かったという佐藤さん。客室乗務員やグランドスタッフの方と接するうちに、自然と憧れから将来の目標へと変わっていきました。「グランドスタッフの方が、空港内をくまなく走り回って業務をしている姿を見て、私もこんな風に一所懸命働いてみたい!と思いました」

グランドスタッフになりたいという目標を持って、航空関連の専門学校へ入学。学校では、職場で使用する端末機械を使用して予約を作ったり、専門用語を勉強したりと、実際の業務に即した内容を事前に学ぶことができました。さらに、接客業を少しでも学ぼうと、接客のアルバイトの経験もしています。

語学力に関していえば、英語力は必須。佐藤さんは、学生時代には何回かホームステイに行き、語学学校にも通いました。「最近ではアジア路線のお客様の需要が非常に多いので、個人的に中国語やハングルなどを勉強するスタッフも増えています。今後は英語の他にアジア圏の語学を身に付けると重要な戦力になり、自分自身のスキルアップにもつながると思います」


【佐藤さんの一日】
<早番のオペレーションスーパーバイザー(運航の統括責任者)を担当する日の場合>
4時: 起床
5時25分: タクシー配車にて出勤(公共交通機関が運行していないので)
6時: 勤務開始。午前中運航便の情報を集め、国際線到着・国内線出発を含め、プリパレーション(準備作業)を行う
7時: コントローラーミーティング(運航に関わる責任者が集まる会議)その後は午前便の出発・到着便が順調に運行するか監視したり、関係各所と連携をとりながら指示を行う
10時: 午後便のプリパレーション開始
11時45分: 午後のオペレーションスーパーパイザーと引継ぎを行い交代。昼食
12時45分: 午後のプリパレーションが終わっていなければ引継ぎ、次の日以降の業務引継ぎなどがあれば行う
13時45分: 午後のオペレーションスーパーバイザーと交代
14時: 勤務終了
16時: メールのチェックおよび班員からの相談を受ける
17時: 帰宅
22-23時: 就寝(翌日も早番勤務の場合)ただし、4時起床のため夕食後には眠くなってしまい、20時頃ドラマを見る前に力尽きてしまうことも

【佐藤さんにお話を伺って…】

佐藤さんが入社して気付いたのは、グランドスタッフという仕事が予想以上に体力を使う仕事だということ。「元気だけは取り柄と思っていましたが、シフト勤務というものに慣れるまでがとても大変でした。体力づくりは必要だと思います」

また、毎日の仕事では苦労や失敗も多々あります。特に、語学力が足りず、外国人のお客様への説明がうまくいかないときには力不足を感じるとか。「英語を話せない中国人の方へ、知っている限りの漢字で説明したのですが、お客様にその意味がまちがって伝わっていたときには、伝えることの難しさを痛感しました」

その一方で、お客様からの声を仕事への糧にしているとも。「海外で治療を受けていたお客様が、故郷で過ごすために飛行機に搭乗されたことがありました。私自身できる限りの準備と対応を行い、その結果、お客様は無事故郷に帰ることができました。その後、ご家族がわざわざ筆をとって感謝のお手紙をくださったのです」

人と接することが好きでなければつとまらない仕事、と語る佐藤さん。「実力というものは経験とこれから学ぶ知識があればある程度はついてきます。でも、人と接する楽しさは、人から学べるものではありません

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