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      ◇◇ 2005年 9月のカルチャー情報 ◇◇

  【音楽】 風と落ち葉の季節に
  【本】 アッコちゃんの時代
  【本】 土の中の子供
  【演劇】 天保十二年のシェイクスピア
  【映画】 深紅
  【 音楽 】
 

【 風と落ち葉の季節に 】
●ミュージシャン:河口恭吾さん

映画『MAKOTO』主題歌『夢の真ん中』、NHK『みんなのうた』楽曲『私のすべて』を含む3rdアルバム。生々しい感情をダイレクトに伝える、温かみのあるボーカルが魅力的。9月21日発売。3150円(ワーナーミュージック・ジャパン)


【インタビュー】

しっとりと洗練されたメロディ、生楽器の響きを重視したサウンド、そして、切なくも愛おしい恋愛感情を描いた歌詞。シンガーソングライター河口恭吾さんのニューアルバム『風と落ち葉の季節に』は、秋という季節に良く似合う、センチメンタルにしてメロウな作品となった。

「前作の『日々燦々』は、時間帯でいえば朝から午後。今回は“夕暮れから深夜”っていうイメージのアルバムになったと思います。勢いに任せてガーッと行動する夏が終わって、ゆっくりと心の内側を見つめてみる。秋って、そういう季節じゃないですか」(インタビューの続きは本誌で……)

●河口恭吾さん
栃木県出身、シンガーソングライター。高校卒業後、都内のライブハウスやストリートで演奏活動をはじめ、2000年にシングル『真冬の月』でデビュー。2003年、1stアルバムからのリカットシングル『桜』が大ヒット、ブレイクを果たす。

  【 本 】
 

【 アッコちゃんの時代 】
●新潮社/1575円

中学1年生の息子を持つ厚子に、女性作家からの取材依頼が舞い込む。もうすぐ40歳になろうとしている厚子は、バブルと言われた時代に、「魔性の女」とマスコミで喧伝された伝説の女性だった――。日本中が空前の好景気に沸いた時代、「アッコちゃん」と呼ばれた彼女は、流行最先端の街・六本木の華。男たちを次々とりこにする彼女の前に現れたのは、地上げの帝王として名を馳せる妻子ある男……。狂乱の時代、醜聞にまみれながらも、堂々と生きる女性の姿を鮮やかに描く。


【インタビュー】

日本中が、バブル景気に踊っていた80年代を舞台にした本作。主人公の「アッコちゃん」は、当時、地上げの帝王の愛人として写真週刊誌などにたびたび登場した実在の女性がモデルだ。林真理子さんは、バブル崩壊から10年以上を経過した今、この作品を書いた理由をこう語る。「少し前までは、バブル=歴史の汚点のように扱われていて、『思い出したくもない』という感じがあったのが、ようやく『冷静に振り返ってもいいな』という気運がでてきたように思う。若い人も興味を持っているようで、『バブルって、どうだったんですか?』とよく聞かれますしね」(インタビューの続きは本誌で……)

●林真理子さん
1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部卒業。コピーライターを経て、82年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』がベストセラーに。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で直木賞受賞。『野ばら』『美女入門』など著書多数。

  【 本 】
 

【 土の中の子供 】
●新潮社/1260円

若者たちに殴り倒されて土の匂いを嗅ぎながら、苦痛を受ける自分の意識の奥底にある「何か」を感じる27歳の「私」。幼い頃、生きながら土の中に埋められるという体験をした「私」は、他者との積極的な関わりを持たずに暮している。唯一ともいえるコミュニケーション相手は、不遇な境遇に生きてきた女性・白湯子(さゆこ)だ。不安定な心を抱いたまま生きる「私」を待っているものとは……。理不尽な暴力と対峙して生きざるを得ない主人公の心象を描いた表題作ほか1編を収録。


【インタビュー】

『銃』で新潮新人文学賞を受賞してデビュー、同作及び『遮光』が芥川賞の候補作となり、今回、三度目のノミネートで栄冠を手にした中村文則さん。受賞作は、幼い頃、育ての親に土の中に埋められるという壮絶な虐待を受けた経験を持つ男性を描いた作品だ。児童虐待というモチーフに注目が集まりがちだが、中村さんは「児童虐待のみを取り上げるのではなく、もっと広い意味での“暴力”、それも粗雑で理不尽な暴力を取り上げたかった」と語る。そこには、昨今の世相の影響があるのだという。(インタビューの続きは本誌で……)

●中村文則さん
1977年愛知県生まれ。福島大学行政社会学部卒業。2002年、『銃』でデビュー。03年、『遮光』で野間文芸新人賞受賞。本作で、第133回芥川賞受賞。

  【 演劇 】
 

【 天保十二年のシェイクスピア 】
●勝村政信さん

9月9日〜10月22日/東京・シアターコクーン 問い合わせ:TEL 03-3477-3244(Bunkamura)。10月28日〜11月6日/大阪・シアターBRAVA! 問い合わせ:TEL 06-6966-6555(グリークス)。作/井上ひさし、演出/蜷川幸雄、出演/唐沢寿明、藤原竜也、篠原涼子、夏木マリ、高橋惠子、勝村政信、白石加代子ほか。


【インタビュー】

『天保十二年のシェイクスピア』(74年/井上ひさし作)は、下総国を舞台にした任侠話に、シェイクスピア作品の要素を散りばめた時代劇だ。この大作に、今秋70歳になる演出家・蜷川幸雄さんが初挑戦し、氏の懐刀とも言われる勝村政信さんが、野心的な用心棒役で出演する。

「用心棒の幕兵衛は、僕の中にはない無骨さを持った役。蜷川さんの古希祝いでもありますし、役に合わせて自分を歪め、なんとかしてひねり出したいですね。久々に台本に、演じる際の注意点を書き込みましたよ」(インタビューの続きは本誌で……)

●俳優:勝村政信さん
1963年埼玉県生まれ。蜷川スタジオを経て87年より劇団「第三舞台」に参加。92年の退団まで、主要メンバーを務める。在団中から『天才たけしの元気がでるテレビ』などに出演し、人気を博す。ドラマ、映画、舞台、CMと幅広く活躍している。

  【 映画 】
 

【 深紅 】
●女優:内山理名さん

陰惨な一家殺人事件から8年後、一人生き残った被害者の娘は、加害者で死刑囚の娘に正体を隠して接触を図る。互いに惹かれ合った二人の行く末は――。監督は新鋭・月野木隆。9月17日より渋谷シネ・アミューズほか全国公開。


【インタビュー】

昨年、44歳という若さで惜しくも世を去った脚本家・作家の野沢尚さんが、吉川英治文学新人賞を受賞した自身の小説『深紅』を脚本化。遺作となった映画が、同タイトルで公開される。

主人公の大学生・奏子(かなこ)を演じるのは、映画・テレビで活躍している内山理名さん。映画では、8年前に両親と2人の弟を自宅で殺害され、ひとり生き残る娘役に挑んだ。難役なだけにプレッシャーも大きかったという。

「奏子はとても辛い経験をしてきた女の子なので、いろいろと考えてしまったんですけど、監督には“言葉遣いも動作もごく普通の今どきの女の子を、自然に演じてほしい”と言われました」(インタビューの続きは本誌で……)

●内山理名さん
81年神奈川県生まれ。98年にリクルートのテレビCMでデビュー、同年テレビドラマ『美少女H』(CX系)で女優デビュー。長編映画では『サトラレ』(01)に出演。本作は『卒業』(03)以来の主演作となる。