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      ◇◇ 2005年 10月のカルチャー情報 ◇◇

  【音楽】 空の庭
  【本】 四つの嘘
  【本】 懐郷
  【演劇】 ウーマンリブ『七人の恋人』
 

【映画】 この胸いっぱいの愛を


  【 音楽 】
 

【 空の庭 】
●ミュージシャン:orange pekoe

『黄金色(きんいろ)の羽根』に続く、05年第2弾シングル。ジャズを基本とした熱を帯びた演奏とスピリチュアルなボーカルには、いまのJ-POPにはない、音楽の本質的な魅力がつまっている。10月12日発売。1260円(BMGファンハウス)


【インタビュー】

ジャズ、ボサノヴァ、サルサなどをバックグラウンドに持つ楽曲、生楽器のダイナミズムとクラブミュージックの先端性を自由に使いこなすサウンド、そして、ナガシマトモコさんのソウルに満ちたボーカルによって、高い評価を獲得しているorange pekoe(オレンジペコー)。映画『まだまだあぶない刑事』の主題歌に起用されたニューシングル『空の庭』は、疾走感あふれるワルツのビートのなかで“和”の要素を感じさせるメロディが舞う、オリジナリティあふれる楽曲。おしゃれでキュートというイメージがある彼らだが、この曲からはオレペコの持つ力強い肉体性が伝わってくる。

「新しいアルバムを作っていくなかで、“強い曲がやりたいな”って思ってたんですよ。ちょうどその頃に“あぶ刑事(デカ)”の話をいただいて、“もしかしたら、これから作ろうとしている曲にリンクするかも”と思った」(ナガシマトモコさん)(インタビューの続きは本誌で……)

●orange pekoe
ナガシマトモコ(作詞、ボーカル)と藤本一馬(作・編曲、ギター、プログラミング)によるユニットとして、98年に結成。2000年頃から関西のカフェ、クラブ等でライブ活動を開始。『Organic Plastic Music』(02年)など、これまでに3枚のアルバムを発表している。

  【 本 】
 

【 四つの嘘 】
●幻冬舎/1680円

一人の女と日本人外交官が、ニューヨークで事故死した。その知らせを聞いた3人の女は、その事故の持つ意味を理解できた。主婦の満希子、医師であるネリ、そしてかつてその外交官の妻だった詩文。亡くなった女性は、彼女たちの高校の同級生・美波だった――。十代の季節を女子高の同級生として過ごした4人が四十路を迎えた今、事故をきっかけとして生々しく蘇ってくる「あの季節」。過去と現在を交錯させながら、女ゆえの醜さ、残酷さ、悲しさ、強さを描き出す。


【インタビュー】

多感な十代の季節を、同じ女子高で過ごした4人の女性。それぞれの運命を生き、四十路を迎えた彼女たちの間で交錯する過去と未来、嘘と真実――。著者の大石静さんは、「この物語には、男女の恋、女の友情、母娘の葛藤など、様々な要素を入れ込んだつもり。そんなものを全部含めて、歳を重ねていくことの哀しさ、素敵さが表現できれてればうれしいですね」と語る。彼女たちのうち、ある者は主婦になり、ある者は性本能に従って奔放に生き、ある者はひたすら仕事に生き、ある者は意外な形で初恋を貫く。(インタビューの続きは本誌で……)

●大石静さん
1951年、東京生まれ。日本女子大学卒業後、脚本家として活躍。『ふたりっ子』、『長男の嫁』、『オードリー』などテレビドラマの脚本を手掛けるとともに、エッセイ、小説などでも多くの支持を集める。著作に、エッセイ『わたしってブスだったの?』、小説『愛才』など。


  【 本 】
 

【 懐郷 】
●新潮社/1575円

海女による鮑漁が生活を支えている島で、妻を亡くして都会に流れてきた男は、やがて島に戻り、新たな妻をめとることになる。海女であるその妻の危機に見たものは――(『磯笛の島』)、出稼ぎにいった夫の帰りを待ちながら家を守る昭子は、ある噂を聞きつけ、決死の覚悟で東京に向かうが……(『鈍行列車の女』)。昭和30年代の農村や島、米軍が駐留する地方都市などを舞台に、個としての覚醒と古い価値観のはざまで葛藤を抱えつつも、しなやかに生きる女性を描いた連作集。


【インタビュー】

昭和30年代の日本の農村や島、地方都市を舞台にした連作集である本作。山に生きるマタギの人生を描いた直木賞受賞作『邂逅の森』をはじめ男性的な作品のイメージが強い熊谷達也さんだが、今回、物語の中心となるのは女性だ。「書いているうちに、この時代は、女性を中心にしたほうが多様で面白いものができると気づいた」と熊谷さん。(インタビューの続きは本誌で……)

●熊谷達也さん
1958年、宮城県生まれ。東京電機大卒業。97年『ウエンカムイの爪』で作家デビュー。04年『邂逅の森』で直木賞受賞。苛酷な自然と対峙する人間の姿を、骨太な筆致で描き、独自の作品世界を展開している。

  【 演劇 】
 

【 ウーマンリブ『七人の恋人』 】
●田辺誠一さん

10月15日〜11月13日/東京・下北沢本多劇場、11月15〜19日/大阪厚生年金会館。作・演出/宮藤官九郎、出演/阿部サダヲ、三宅弘城、少路勇介、星野源、宮藤官九郎、尾美としのり、田辺誠一。問い合わせ:TEL 03-3327-4312(大人計画)


【インタビュー】

売れっ子脚本・構成作家の宮藤官九郎さんが作・演出を手掛ける演劇ユニット「ウーマンリブ」。その最新作『七人の恋人』で、田辺誠一さんが七変化に挑む。宮藤作品へは、一昨年の舞台『熊沢パンキース03』に続く、二度目の登場だ。

「宮藤さんの作品は、スピード感があって、密度が濃くて。妙なパワーがあって面白いですよね。ただ、僕は今回みたいな形式の芝居は初めてなので、どうなるのか全く予想できないです」と田辺さん。というのも、本作品は7つのショート・ストーリーから成るオムニバス・ドラマであり、“恋の話”という共通テーマはあるものの、そのシチュエーションは実にさまざま。7話中6話に出演予定の田辺さんは、高校生からホストまで、少なくとも6つのキャラクターを演じることになる。

「僕はスローペースな役者。現場の匂いや作品の匂いを肌で感じながら、自分の中にあるものと少しずつリンクさせて、じっくり役を作っていくタイプです。そんな人間が、早替わりで6役もやったらどうなるのか。ドキドキしますが、とても楽しみなチャレンジです」(インタビューの続きは本誌で……)

●俳優:田辺誠一さん
1969年東京都生まれ。モデルを経て、92年にドラマ『熱い胸騒ぎ』で俳優デビュー。多数のドラマ、舞台に出演する一方、クリエイターとしても活躍。監督映画作品に『DOG-FOOD』(99年)、『ライフ・イズ・ジャーニー』(03年)。著書に『眠らない羊』(角川書店)がある。

  【 映画 】
 

【 この胸いっぱいの愛を 】
●俳優:伊藤英明さん

06年、30歳の鈴谷比呂志は出張で小学生時代を過ごした懐かしい土地、北九州・門司を訪れた。そこでなんと20年もタイムスリップ。86年の自分とその周囲の人たちと一緒に生活することになる。大ヒット作『黄泉がえり』のスタッフが再結集した感動作。


【インタビュー】

映画『この胸いっぱいの愛を』で、かつて過ごした町、北九州・門司に向かう途中、1986年にタイムスリップしてしまう主人公・比呂志を演じる、伊藤英明さん。20年前の自分・ヒロと向き合いながら、過去に叶えられなかった願いを果たそうとする役どころだ。「今、20年前の自分に会ったら、“英語を勉強しておけ、体を柔らかくしておけ、楽器をやっておけ”って言いますね。どれも大人になって苦労したことですから」(笑)

台風の日に、「雨に打たれるのが気持ちいい」と茶目っ気たっぷりに話す伊藤さんだが、20年前は入退院を繰り返し、小学校も半分しか行けなかったほど体が弱かったという。「病院という知らない世界で友達もいない。でも、親に寂しいと甘えられない。映画のヒロと同じような心境だったので、当時の自分を重ね合わせながら演じていました」(インタビューの続きは本誌で……)

●伊藤英明さん
75年岐阜県生まれ。97年テレビドラマ『デッサン』(NTV系)でデビュー。その後、『愛をください』『白い巨搭』(ともにCX系)、最近では『海猿-EVOLUTION-』(CX系)と活躍。映画は『秘密』(2000年)、『陰陽師』(01年)、『海猿』(04年)などに出演。趣味はスキューバダイビング、乗馬など。