【インタビュー】
物語の冒頭、主人公の満々子は突然、キャベツ畑でおしっこをする。春になると笑って鼻歌を歌いだし、くるりんぱ、と回ってみたりする。そんな満々子は47歳。一男一女の母だ。夫はおらず、子どもたちはとっくに自立している。満々子は「傍から見たらタガが外れた変な人。だけど話してみれば深いところを分かっている人」と大道珠貴さん。能天気で奔放で、子どもたちのほうがむしろ大人っぽい、満々子のユーモラスな日常を一人称で書き綴る。
「福岡に住んでいた子どもの頃、満々子のような不思議なおばさんが近所にいたんです。本気で子どもと喧嘩する人でした。確か私もふっかけられた覚えが(笑)」。そんな幼少期の記憶をもとに描き出したかったこととは―。
「天真爛漫な満々子の口を借りて、常識に束縛されず、自由に生きる逃げ道がある、ホンワカした小説を書きたいと思ったんです」
(インタビューの続きは本誌で…)
●大道珠貴さん
66年、福岡市生まれ。2000年に「裸」で九州芸術祭文学賞を受賞、作家デビュー。03年、『しょっぱいドライブ』(文藝春秋)で芥川賞を受賞。05年、『傷口にはウォッカ』(講談社)でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他著書多数。「35歳くらいからお酒を飲み始めて、実はアルコールに強いことを知ったんです。日本酒はまるで甘いお水みたい」という酒豪でもあり、06年9月にはエッセイ集『東京居酒屋探訪』(講談社)も上梓。
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