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      ◇◇ 2007年 3月のカルチャー情報 ◇◇

  【本】 クジラの彼
  【本】 あなたが、いなかった、あなた
  【音楽】 UNION
 

【舞台】 KOKAMI@network vol.9『僕たちの好きだった革命』

  【 本 】
 

【 クジラの彼 】
●角川書店/1470円

自衛隊を舞台にしたラブコメディ短編集。表題作を含む全6編を収録。航空設計士の女性が航空自衛隊の輸送機の設計に携わり、ほのかに恋の予感を感じていく…(『ロールアウト』)。自衛隊同期の彼女はとことん強気で、時折反則的にかわいい…(『国防レンアイ』)。彼女に会いたいあまり、若手自衛隊員が駐屯地脱出を試みるが…(『脱柵エレジー』)。自衛隊員の日常生活と「ベタ甘恋愛」を、エンターテインメント性たっぷりに描く。


【インタビュー】

青少年向け文庫から派生した「ライトノベル」のジャンルで、今注目を集めている有川浩さん。新作のラブコメディ短編集『クジラの彼』は、主人公として、あるいは恋愛の対象として、どの短編にも自衛官が登場している。そして、彼らが繰り広げるのは、「ベタ甘な恋愛」。「恋愛は私の作品には不可欠。恋愛を描くのは、呼吸をするのと同じくらい自然なことなんです」

表題作『クジラの彼』は潜水艦乗りの自衛官である彼と、OLの彼女との遠距離恋愛の物語。戻ってくる時期も分からず、携帯電話すらつながらないもどかしさ。募る恋心…。
(インタビューの続きは本誌で…)

●有川浩さん
高知県出身。03年『塩の町』で第10回電撃小説<大賞>を受賞、作家デビュー。著書に『空の中』『海の底』『レインツリーの国』など。大人気の“図書館”シリーズ『図書館大戦争』『図書館内乱』に続き、3作目となる『図書館危機』を06年に2月に刊行したばかり。「10代の頃に、青少年向け文庫の爽快さに出会ったことが私の原点です。今、私は書き手としてその面白さを大人にも発信しようと思っています」

  【 本 】
 

【 あなたが、いなかった、あなた 】
●新潮社/1680円

短編全11編を収録。99年に発表された『高瀬川』にも登場する主人公、「小説家の大野」はパリに渡っている。これから書くべき小説を思い浮かべながら、フェカンへと旅をするが…(『フェカンにて』)。死んだギタリストについて残された愛人が語ることとは…(『クロニクル』)。仲睦まじい母子が出発する先は…(『母と子』)など。幻想的な作品、斬新な手法による実験的作品などが収められ、読書の面白みの数々が凝縮された一冊。


【インタビュー】

ページをめくると、小説とは思えない斬新なレイアウトが目に飛び込んでくる。文字が白い紙の上で踊り、ある短編を読むためにはページを何度も繰り返し行きつ戻りつしなければならない―実験的で、幻想的でもある平野啓一郎さんの新作短編集『あなたが、いなかった、あなた』は、読書の新しい喜びを感じさせてくれる。

「僕は日常の思考と違和感があるもの、異質なものをぶつけることが文学や芸術の役割だと思っています」

冒頭に収録された短編『やがて光源のない澄んだ乱反射の表で…/『TSUNAMI』のための32点の絵のない挿絵』は、30歳を過ぎ老いを感じ始める「僕」の姿が描かれている。老いを象徴するのが「体から少しずつ削られて、落ちる砂」というもの。
(インタビューの続きは本誌で…)

●平野啓一郎さん
75年愛知県出身。京都大学法学部卒。早くからトーマス・マンやボードレール等の海外文学に親しみ、99年、大学在学中に『日蝕』により芥川賞を受賞。該博な知識と華麗な文体を駆使する作風により「三島由紀夫の再来」として注目を集める。『一月物語』『葬送』『高瀬川』『滴り落ちる時計たちの波紋』『顔のない裸体たち』『TALKIN'ジャズ×文学』『ウェブ人間論』(梅田望夫との対談共著)など著書多数。現在、『新潮』にて長編小説『決壊』を連載中。

  【 音楽 】
 

【 UNION 】
●シンガーソングライター:Charaさん

シングル『世界』『Crazy for you』『FANTASY』を含む4年ぶりのフルアルバム。作・編曲に大沢伸一さん、田中知之さん(Fantastic Plastic Machine)なども加わりクラブミュージックのテイストも反映。愛をめぐる考え、体験がもとになった歌詞、ダイナミズムを増したボーカルも魅力的。発売中。初回限定盤3500円(ユニバーサルミュージック)。


【インタビュー】

91年のデビュー以来、奔放かつ独創的な音楽性、鮮烈なボーカルスタイルによって強い支持を集めてきたCharaさんから、実に4年ぶりとなるニューアルバム『UNION』が届けられた。10年以上にわたって在籍したレコード会社を離れた後、「どこにも所属してなかった時期が2年くらいあった」というが、当然、音楽に対するモチベーションが下がることはなかったそう。

「子どもの頃から音楽に関する仕事しかしたくなかったから、その点で私はラッキーですね。音楽は私の人生とは切っても切れない。曲を作っていないと、体調が悪くなっちゃうほど(笑)」
(インタビューの続きは本誌で…)

●Charaさん
68年生まれ、埼玉県出身。91年シングル『Heaven』でデビュー。俳優・浅野忠信さんとの結婚、出産を経験した後リリースされたアルバム『Junior Sweet』(97年)は120万枚のセールスを記録。06年9月、レコード会社を移籍、シングル『世界』によって本格的に活動を再開する。07年3月から全国ツアーがスタート。

  【 舞台 】
 

【 KOKAMI@network vol.9『僕たちの好きだった革命』 】
●片瀬那奈さん

60年代、学生運動で意識不明になった高校生の山崎が目覚めたのは、30年後だった──。KOKAMI@networkの2年ぶりの新作は、堤幸彦監督との共同企画。3月11日まで東京。続いて北海道、山形、宮城、名古屋、大阪にて公演。企画・原案/堤幸彦、企画・原作・脚本・演出/鴻上尚史、出演/中村雅俊、片瀬那奈、塩谷瞬ほか。問い合わせ 電話:03-5772-7474(サードステージ)。


【インタビュー】

「制服は、コント以外で着ることないと思っていたから嬉しくて(笑)」

片瀬那奈さんにとって初挑戦となる舞台『僕たちの好きだった革命』は、登場人物のほとんどが高校生。制服姿の大人たちは、それだけで普段以上にきらきらと楽しそうだ。

初舞台とはいえ、その演技は堂々たるもの。「演じるという意味では映画やドラマと変わらないので、気負わずに挑戦しています。むしろ、舞台はお客さんと一緒になって作っていけるので、すごく楽しいんです」

主人公は中村雅俊さん演じる男子高校生・山崎。60年代、学生運動の最中に意識不明となるも、30年後に目覚め、姿は中年、頭の中は高校生のまま復学。現代の高校生とぶつかりながら絆を深めていくという、笑いとアクションありの物語だ。(インタビューの続きは本誌で…)

●片瀬那奈さん
81年東京都生まれ。99年に女優デビュー。ドラマをはじめ、映画『デスノート』など話題作への出演多数。「電気配線」が得意で、ガンダムやゲームも好き。「10代の頃は、弱い者いじめをしている男子を見ると、すぐに飛んでいって抗議。実は熱い青春時代を送っていました(笑)」