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      ◇◇ 2007年 4月のカルチャー情報 ◇◇

  【本】 サマーバケーションEP
  【本】 大きな熊が来る前に、おやすみ。
  【音楽】 TARZAN
 

【舞台】 服部有吉×金 聖響×ラスタ・トーマス『ラプソディ・イン・ブルー』

  【 本 】
 

【 サマーバケーションEP 】
●文藝春秋/1800円

生まれつき人の顔が覚えられない主人公の「僕」は、ある夏の日、井の頭公園で神田川の源流を見つける。「僕」は公園で出合った仲間と共に、神田川に沿って歩き始める。道中で一行は様々な人物に出会い、人数を増やしながら河口へと歩き続ける…。吉祥寺を出発地に、著者自身何度も歩いたというコースを辿り、中央区の海を目指す。地図を持たずに東京を横断するさまは読む散歩さながら。「僕」の冒険を独特の語り口で描く感動作。


【インタビュー】

夏休みに「僕」は東京・吉祥寺の井の頭公園に出かける。それが冒険の始まりだ。「僕」は生まれつき人の顔が覚えられない。だから仲間を匂いや声、温度で見分ける。「僕」は繊細に、丁寧に仲間に接する。公園で最初に声をかけてきたのは、会社員で夏休みを無理にとったというウナさん。次に心に傷を負ったカネコさん。3人は井の頭公園から湧き出る神田川に沿って、河口まで歩こうと意気投合する。「24時間の旅のなかに永遠の夏休みを書きたいと思った」と古川日出男さんは話す。
(インタビューの続きは本誌で…)

●古川日出男さん
66年、福島県生まれ。早稲田大学第一文学部中退。編集プロダクション勤務の後、98年に『13』で作家デビュー。02年に『アラビアの夜の種族』で第55回日本推理作家協会賞および第23回日本SF大賞を受賞。06年に『LOVE』で第19回三島由紀夫賞を受賞。近著に『ルート350』『僕たちは歩かない』など。他、著書多数。作家活動と平行して、自作を朗読するライブ活動も行っている。「朗読は、大勢の人が同じ速度で読書体験をできる唯一の方法です」

  【 本 】
 

【 大きな熊が来る前に、おやすみ。 】
●新潮社/1365円

雪の静かな夜、熊が暗い洞窟の中で眠っている―、そんなイメージから物語が生まれたという表題作は、第135回芥川賞ノミネート作品。ほかに、育ってきた環境のギャップからねじれていく男女の関係を描いた『クロコダイルの午睡』、年下の彼との温かい交流で傷ついた過去を乗り越えていく『猫ときみのとなり』(書き下ろし)を収録。装丁は島本さんたっての希望で絵本『よるくま』の作者酒井駒子さん。


【インタビュー】

島本理生さんの2年ぶりの新刊は3つの男女の物語を収録した短編集。昨年の芥川賞候補にもなった、表題作『大きな熊が来る前に、おやすみ。』は、「ここ最近でもっとも苦労した」という入魂の作品だ。

「今までは思春期の “あったかくていい話”を書きたくて、すぐに深く心が通い合える恋を描いてきました。でも現実は理想通りにいかない。そのリアリティを表現し、大人も楽しめる恋愛小説を描いてみたくなった」
(インタビューの続きは本誌で…)

●島本理生さん
83年東京生まれ。98年、15歳で初めて応募した『ヨル』で文壇デビュー。01年『シルエット』で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞、03年、『リトル・バイ・リトル』が第128回芥川賞候補となり、同年、第25回野間文芸新人賞を最年少で受賞。04年『生まれる森』が第130回芥川賞候補に。05年初の書き下ろし長編恋愛小説『ナタラージュ』がベストセラーとなる。仕事が煮詰まったときは、夜中でもフルーツケーキを焼いたりする24歳。

  【 音楽 】
 

【 TARZAN 】
●歌手・俳優:吉川晃司さん

03年の『Jellyfish&Chips』以来となる16枚目のオリジナルアルバム。高い技術を持ったミュージシャンたちが生み出すダンスビートとギターサウンドが見事に融合。こんな世の中だからこそ、音楽を聴いて元気を出してほしいというメッセージが心に響く。シングル『サバンナの夜』『ベイビージェーン/ジャスミン』収録。4月11日発売。通常版3000円(徳間ジャパンコミュニケーションズ)。


【インタビュー】

クラブシーンの最前線で活躍するDJユニット DISCO TWINSとのコラボレーションシングル『Juicy Jungle』を発表するなど、昨年から“ダンス”“ビート”“ロック”をキーワードにしたサウンドを提示してきた吉川晃司さんが、約4年ぶりとなる新作『TARZAN』を完成させた。

ポップなイメージの強い本作には、シングル曲『ベイビージェーン』に象徴されるように、「女性を応援したい」というメッセージが込められているとか。

「僕のコンサートスタッフの中にも、女性がたくさんいるんですよ。照明や音響は体力も気力も必要な大変な仕事だけど、やる気に満ち、頑張っている人が多い。応援したいよね」
(インタビューの続きは本誌で…)

●吉川晃司さん
65年広島生まれ。84年、自ら主演した映画『すかんぴんウォーク』の主題歌『モニカ』でデビュー。『KISSに撃たれて眠りたい』など数多くのヒット曲を生み出し、日本を代表するロックボーカリストに。映画『大停電の夜に』(05年)に出演するなど、俳優としても活躍。

  【 舞台 】
 

【 服部有吉×金 聖響×ラスタ・トーマス『ラプソディ・イン・ブルー』 】
●ダンサー・振付家:服部有吉さん

指揮者、金 聖響との共同制作。実力派ダンサーのラスタ・トーマスを迎え、ガーシュウィンなどの作曲家の名曲と舞踊が融合する。演出・振付/服部有吉。出演/服部有吉、ラスタ・トーマスほか。音楽監督・指揮/金 聖響。ピアニスト/松永貴志ほか。6月15日〜17日まで東京ほか、大阪、名古屋でも公演。問い合わせ 電話:06-6377-3800(梅田芸術劇場メインホール)。


【インタビュー】

鍛え抜かれた肉体が、ほとばしる感情を瞬間瞬間で表現する。しなやかでダイナミックな跳躍から繰り出される「200度開脚ジャンプ」。服部有吉さんは、舞台で誰よりも大きな存在感を放つ。

13歳でハンブルク・バレエ学校(ドイツ)に単身留学。鬼才の振付家ジョン・ノイマイヤー氏に見いだされ、コンテンポラリー・ダンスの最高峰ハンブルグ・バレエ団に18歳で入団した。東洋人として初のソリストに昇格して以降は、気鋭の振付家としても、熱い視線を浴びている。

自ら振付を手がける新作は、指揮者の金 聖響氏率いるオーケストラと舞踏が融合する「シンフォニック・バレエ」。通常、オーケストラは舞台下のオーケストラピットで演奏するが、今作では舞台上での演奏となる。音の振動を最も感じる場所で、服部さんの肢体が舞う仕掛けだ。

「オーケストラとダンサーが同じ舞台に上がることで、音と踊りがどう融合していくのか楽しみですね」
(インタビューの続きは本誌で…)

●服部有吉さん
80年東京生まれ。祖父は作曲家の故服部良一氏。6歳でバレエを始め、13歳でドイツに単身留学。18歳でハンブルク・バレエ団に入団、03年に東洋人初のソリストに昇格し絶賛される。05年に振付家としてもデビュー。06年よりカナダのアルバータ・バレエ団のダンサー、振付家として活躍中。