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      ◇◇ 2007年 5月のカルチャー情報 ◇◇

  【本】 神田川デイズ
  【本】 みずうみ
  【音楽】 Denim
 

【舞台】 お気に召すまま

  【 本 】
 

【 神田川デイズ 】
●角川書店/1470円

東京のマンモス大学に通う学生たちの生活を描く。六畳一間のアパートで冴えない生活を送り「青春のどん詰まり」を味わう原田。一念発起し、うだつのあがらない友人2人と『童貞メガネーズ』なるお笑いユニットを組むが…(「見ろ、空は白む」)。人であふれる入学式の光景に新入生の道子は気が遠くなる。だが社会派運動を展開するサークルに入ろうと決意して…(「いちごに朝露、映るは空」)。登場人物がリンクしていく短編群像劇。


【インタビュー】

大学在学中に作家デビューした豊島ミホさん。女子高生を主人公とした『檸檬のころ』など、10代の心情と日常を細やかに描く作風で人気を得る。「かつて漫画家を目指していたのですが、投稿しても手応えがなかった。絵とストーリーのどちらが良くないのか確かめたくて小説を書き、締め切りの近かった文学賞に応募したんです。受賞後に小説の難しさを噛み締めました。頭の中で5人くらいの自分と何がいけないのか何度も話し合った(笑)」

『神田川デイズ』では大学にすんなりなじめない現代っ子を描く。様々な主人公の物語がつながる短編集だ。どこにでもいそうな彼らの学生生活を豊かな観察眼で眺め、シニカルかつコミカルに描く。
(インタビューの続きは本誌で…)

●豊島ミホさん
82年秋田県生まれ。早稲田大学第二文学部卒。大学在学中の02年「女による女のための『R-18』文学賞」で読者賞を受賞。同年、受賞作を含む初の単行本『青空チェリー』を刊行。高校生活を描いた『檸檬のころ』は映画化され、今春から公開されている。その他著書に『底辺女子高生』『陽の子雨の子』『夜の朝顔』『エバーグリーン』など多数。豊島ミホはペンネーム。苗字は小説を初投稿した頃住んでいた区名から、名前は幼い頃の女友達から付けた。

  【 本 】
 

【 みずうみ 】
●河出書房新社/1575円

湖水があふれるとき、眠り続ける人の口からも水があふれ、遠く離れた風景や出来事を語り出す…。お伽話風な1章から一転、2章では具体的な地名、3章では自身や妻が実名で登場、執筆中に起きた悲しい体験をモチーフに不思議な出来事がシンクロする。小説で固有名詞を使ったのは今回が初。「“ナミビア”と書いたとき、自分の体がナミビアに行っている感じがした。初めて固有名詞の実存性が信じられ、驚きと同時に非常な喜びがあった」


【インタビュー】

湖の水が満ちたり、引いたりする。いしいしんじさんの2年ぶりの長編『みずうみ』は、そんなイメージからうまれた。物語は3つの章で構成される。1章の主人公は月に一度水があふれ出す湖の畔に住む村人。2章は体が伸縮して水があふれ出すタクシー運転手。3章は妊娠、死産を体験する日本人夫婦と、友人のアメリカ人夫婦。全く異なる物語でありながら、違う場所で違う時間に存在するはずの人や出来事が、奇妙な偶然に導かれるように響き合い、重なり合う。

いしいさんには何の計算も意図もない。テーマもプロットも決めず、言葉を紡いでいく。「“つくる”ということを半ば放棄しているところがあって、自分の中から出てきたものを、ひたすら接いでいった感じです」
(インタビューの続きは本誌で…)

●いしいしんじさん
66年大阪府生まれ。京都大学文学部仏文科卒業。03年『麦ふみクーツェ』で坪田穣治文学賞を受賞。『ぶらんこ乗り』『プラネタリウムのふたご』『ポーの話』など著書多数。長編を終えた今は、1日1冊半のペースで読書を楽しんでいる。

  【 音楽 】
 

【 Denim 】
●シンガー・ソングライター:竹内まりやさん

01年の『ボナペティ!』以来となるオリジナルアルバム。70年代ウエストコーストサウンドを想起させるポップチューン『シンクロニシティ(素敵な偶然)』、現代的なR&Bの要素を感じさせる『哀しい恋人』、「ビギン」のリズムをフィーチャーした『明日のない恋』など、質の高いポップミュージックが楽しめる。5月23日発売、3059円(ワーナーミュージック・ジャパン)


【インタビュー】

日本を代表するシンガー・ソングライター竹内まりやさんが6年ぶりのアルバム『Denim』を完成させた。松たか子さんに提供した『みんなひとり』のセルフカバー、シングルリリースされた『明日のない恋』などを含む本作は、竹内さんのルーツである50〜60年代の音楽のエッセンスを感じさせながら、07年の新しいポップミュージックの在り方を提示する作品に仕上がっている。

「私が作る音楽の根本は、常に普遍的なものを追求すること。これは、デビューのときから変わっていません。ただ、年齢を重ねることで意識することや、風景の見え方っていうのは変わりますね。そんな様々な変化をこのアルバムでは表現しました」
(インタビューの続きは本誌で…)

●竹内まりやさん
78年シングル『戻っておいで・私の時間』でデビュー。『SEPTEMBER』『不思議なピーチパイ』などのヒット曲を生み出す。82年、山下達郎さんと結婚。以後、シンガー・ソングライターとして『駅』『シングル・アゲイン』『告白』といった名曲を数多く作っている

  【 舞台 】
 

【 お気に召すまま 】
●俳優・小栗旬さん

兄と仲たがいした若き騎士オーランドー(小栗旬)は森へ、その恋人ロザリンドも男装して森へ。権力争いや恋人同士の追いかけごっこをコミカルに描く。全て男性俳優によって演じられる話題作。7月5日〜東京ほか大阪、静岡、仙台で公演。作/W・シェイクスピア、演出/蜷川幸雄、出演/成宮寛貴、小栗旬、吉田鋼太郎ほか。問い合わせ 電話:03-3490-4949(ホリプロ)。


【インタビュー】

ナイーブで繊細な中にある静かな情熱が、見るものを惹きつける小栗旬さん。人気ドラマをはじめ、映画や舞台と活躍中だが、素顔は、芝居を愛する24歳だ。普段もシェイクスピアを愛読しているという。「『コリオレイナス』や『ヘンリー4世』などの将軍ものが好きですね。将軍の雄々しい感じがいい」

そんな小栗さんが、またシェイクスピア作品に出演する。今回は、04年に上演された喜劇『お気に召すまま』の再演。恋の駆け引きをコミカルに描く同作品は、シェイクスピアの物語の中で最も幸福感にあふれた戯曲と言われている。シェイクスピアの時代と同じく、女性役もすべて男性俳優によって演じられるというユニークな演出の話題作だ。

小栗さん演じるのは、若き騎士オーランドー。森で、男装した恋人のロザリンドと出会うも、本人と気づかずに愛の告白の練習相手を願い出て一騒動…という役どころだ。(インタビューの続きは本誌で…)

●小栗旬さん
82年東京都生まれ。テレビドラマ『電車男』『花より男子』や映画『ロボコン』『隣人13号』『あずみ』のほか、舞台『ハムレット』『間違いの喜劇』など数々の作品に出演。毎週水曜日にはラジオ『小栗旬のオールナイトニッポン』も。7月には映画『キサラギ』が公開予定。