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      ◇◇ 2007年 6月のカルチャー情報 ◇◇

  【本】 鹿男あをによし
  【本】 迷産時代
  【音楽】 Out of Border
 

【舞台】 渋谷・コクーン歌舞伎『三人吉三』

  【 本 】
 

【 鹿男あをによし 】
●幻冬舎/1575円

奈良県の女子高校に赴任することになった28歳の「おれ」。不慣れな環境で教鞭を執ることに悩んでいたある日、奈良の鹿から唐突に話しかけられ…。その後、「おれ」は次々に予測のつかない奇妙な出来事に巻き込まれていく。手に汗握る場面もあれば、女子高生との心温まるエピソードもあり、ページをめくるごとに楽しみが盛りだくさんの小説。歴史の都、奈良・京都・大阪を舞台に繰り広げられる、奇想天外かつユーモアあふれる物語。


【インタビュー】

ひょんなことから高校教師として奈良県の女子校に赴任することになった「おれ」。新米教師として四苦八苦するなか、突然、鹿に話しかけられる。そんな奇妙な出来事をきっかけに、彼は日本を救うために奔走することになる…。

始まりから終わりまで奇想天外な物語を紡ぎあげたのは、万城目学さん。エンターテインメント性に富んだ痛快な長編を書き下ろした。

「奈良を舞台に、夏目漱石の『坊ちゃん』のような雰囲気の小説が書けたら、と思っていたんです。結局、『坊ちゃん』と内容はかけ離れているけれど(笑)」
(インタビューの続きは本誌で…)

●万城目学(まきめ・まなぶ)さん
76年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。大学卒業後、大手企業に就職。サラリーマン時代にも執筆を続けていたが「毎日会社で働くなかで、納得のいく作品を書くのは難しく」、退職して執筆に専念した。06年、『鴨川ホルモー』で第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞、作家デビューを果たす。同書はベストセラーとなり、07年本屋大賞にもノミネートされた。予測不可能な展開で読者を楽しませる、大注目のストーリーテラー。

  【 本 】
 

【 迷産時代 】
●双葉社/1575円

出産に迷う女性たちを描く短編集。生き方は自分で選択してきたと自負する42歳の友里恵は夫と二人暮らし。実父の認知症発症をきっかけに、友里恵は血のつながりについて考え始め、出産への衝動を初めて感じるが…(「朝顔の角を曲がれば」)。仕事と出産、出産にまつわる肉体的リミット、不妊治療、セックスレス、夫との関係、女でいたいという欲望など、6人の女性を主人公に、女性と出産の現実的状況を様々な角度から克明に描く。


【インタビュー】

仕事に邁進して恋愛もし、結婚もした。だが出産は…? 本書の主人公は主に30代半ばから40代前半の女性。出産のためらいや「このまま産まなくていいのか」という切実な煩悶、不安感を抱いている。彼女たちが持つのは、不妊症やセックスレス、出産欲の欠如といった悩み。「第1子出産」という女性にとっての大きな岐路に立ったときの、深い思考の道のりが各短編で克明に描かれている。

「書かなくては、という思いに駆られ、衝動で“産んだ”小説」と宇佐美游さん。自身に出産経験はない。(インタビューの続きは本誌で…)

●宇佐美游さん
62年青森県生まれ。モデル、商社OL、ネイルアーティストなど様々な就業経験を経て、フリーライターとして女性誌などで8年間活躍。00年『調子のいい女』で第6回小説新潮長篇新人賞を受賞し、作家デビュー。以後、女性の夢や欲望、本音をリアルに小説に描き続けている。切れ味鋭い筆致と、シビアな視点が生み出す作風で現代の様々な情景を切り取る。『玉の輿同盟』『脚美人』『黒絹睫毛』『FOXY』『柘榴熱』など。著書多数。

  【 音楽 】
 

【 Out of Border 】
●雅楽奏者:東儀秀樹さん

上海民族楽団に所属のミュージシャン“BAO”と共演した新作。『Sweet Memories』『誰も寝てはならぬ』(歌劇『トゥーランドット』から)など、さまざまなジャンルからのカバー曲と自身によるオリジナルナンバーで構成されていて、どんな趣味の人も気軽に楽しめそう。古典楽器の美しく、奥深い響きをたっぷりと味わって。6/13発売、3000円(ユニバーサル クラシックス&ジャズ)。


【インタビュー】

1300年前から伝わる日本の伝統芸能である“雅楽”と、ジャズ、ロックなどの現代音楽を融合。圧倒的な独創性に満ちた音楽を提示している東儀秀樹さん。『夜空ノムコウ』、映画『ニューシネマパラダイス』のテーマなどのカバーとオリジナル曲で構成された新作『Out of Border』は、ジャンルの壁を軽々と越えていくクロスオーバーアルバム。

「カバー曲に関しては“篳篥(ひちりき/雅楽で使われる縦笛)で吹いたら楽しいだろうな”という基準で選んでます。世の中の流行とかリサーチではなく、自分のなかに生まれてくるヒラメキがいちばん大事だと思ってるので。今回のアルバムには、ジャズ、クラシック、オペラもある。雅楽で使うような民族楽器でも、ジャンルを超えて、何でも表現できるということが伝わればうれしいですね。『夜空ノムコウ』では自分でラップまでやってるし(笑)」
(インタビューの続きは本誌で…)

●東儀秀樹さん
59年東京都生まれ。高校卒業後、宮内庁楽部に入り、篳篥、琵琶などを担当。96年にアルバム『東儀秀樹』を発表。舞台『オディプス王』(02年)、映画『青の炎』(03年)の音楽を手がけるなど、幅広い分野で活躍。最近は上海の音楽家とのユニット「TOGI+BAO」としても活動。

  【 舞台 】
 

【 渋谷・コクーン歌舞伎『三人吉三』 】
●歌舞伎俳優:中村福助さん

世の吹き溜まりのような人生を送る3人の盗賊、和尚吉三・お坊吉三・お嬢吉三。破滅に向かって突き進む3人の姿を描いた黙阿弥の名作を、串田和美が演出。作/河竹黙阿弥。演出・美術/串田和美。出演/中村勘三郎、中村福助、中村橋之助ほか。6月7〜28日、渋谷・Bunkamuraシアターコクーン。問い合わせ 電話:003-5777-8600(ハローダイヤル)。当日券あり。


【インタビュー】

毎年、初心者から通までたくさんの歌舞伎ファンを集めて完売御礼になる『コクーン歌舞伎』。今年は01年6月以来の再演となる『三人吉三』が上演される。和尚吉三が中村勘三郎さん、お坊吉三が中村橋之助さん。そして中村福助さんは男でありながら女装している盗賊、お嬢吉三を演じる。幅広い活躍を続ける福助さんにとっても、『コクーン歌舞伎』は特別の舞台だという。

「現代演劇を中心に活躍する串田和美さんの演出は毎回新しい発見があって、出演者も全員が一緒に楽しめます。串田さんが歌舞伎の綺麗な面だけでなく、その内面にある奥深さ、沈殿物をすくい上げ、作者の河竹黙阿弥の秘密を探ってくださるからでしょうね」
(インタビューの続きは本誌で…)

●中村福助さん
62年東京都生まれ。父は人間国宝の中村芝翫(しかん)。屋号は成駒屋。前名の中村児太郎時代から美貌と風姿で注目され、市川猿之助の下で「スーパー歌舞伎」を中心に修業を積む。古典歌舞伎でも華のある女形として人気を集めている。