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      ◇◇ 2007年 8月のカルチャー情報 ◇◇

  【本】 そんなはずない
  【本】 ランナー
  【音楽】 Soul電波
 

【舞台】 パルコ・プロデュース ミュージカル『キャバレー』

  【 本 】
 

【 そんなはずない 】
●角川書店/1680円

松村鳩子は、29歳。両親に挨拶まで済ませた婚約者に突然逃げられてしまう。それだけで大ショックなのに、30歳の誕生日を過ぎた直後、今度は勤め先が倒産という悲劇に襲われる。そんなとき鳩子の前に現れたのは、妹・塔子の友達の午来くんだった。それまで、自分を高く売ることや、そつなく生きることをよしとしていた鳩子だったが、午来に出会い、何かが変わる。だがそれと同時に、妹が予期せぬ行動に出た…!


【インタビュー】

子どもの頃から何でもそつなくこなし、人並みに勉強して就職し、恋もたくさん経験した主人公の鳩子。そんな彼女が、29歳にして婚約者にフラれ、さらに勤めていた会社も倒産!

まさに「そんなはずない」という展開が次々に起こる物語を軽妙に綴った朝倉かすみさん。30歳から小説を書き始め、今回が初の長編小説となる朝倉さんにとっては、たくさんの挑戦が詰まった作品となった。

「次々に壁が現れて、それを主人公がどうにか乗り越えていく小説は痛快でしょう。それに挑戦したのですが…。主人公たちがあまりに奇想天外な壁にぶつかるので、私自身、かなり苦労しました(笑)」
(インタビューの続きは本誌で…)

●朝倉かすみさん
60年北海道生まれ。北海道武蔵女子短期大学卒業後、様々な職を経験。10種類以上のアルバイトをしてきたという。03年、『コマドリさんのこと』で第37回北海道新聞文学賞を受賞。04年、『肝、焼ける』で第72回小説現代新人賞を受賞。他の作品に『ほかに誰がいる』がある。読書の喜びに目覚めたのは20代。その後、30代で作品を書き始めた。「40代になった今、夢中になれる職業に就けたことを幸せに思いますね」

  【 本 】
 

【 ランナー 】
●幻冬舎/1470円

高校1年生の碧李は、両親の離婚に伴って、母親と妹とともに引っ越しをした。新しく入学した高校では陸上部に入部。長距離走者として類まれな才能を見いだされるものの、碧李は挫折を味わい、グラウンドから一度は去ってしまう…。脆く崩れそうな家族との関係に心をさいなまれ、孤独に闘う少年とその母親、碧李を見守り続けるコーチ、年上の女子マネージャーや同級生など脇役たちの魅力も見逃せない


【インタビュー】

主人公は、長距離走者である高校1年生の碧李(あおい)。あさのあつこさんは新作『ランナー』で、走ることに打ち込む少年と家族や友人との関係を、透き通るような文章で紡ぎ出した。少年の精神と肉体の、繊細な成長の速度が描かれる。

碧李は分かりやすいヒーローではない。離婚した両親、幼い妹。そしてレースでの挫折…。傷を心に抱えながら、自分と向き合い、考え続ける。

「現実を解決する手立てがないままあがき続ける、“思索”する碧李という少年を書きたかった」
(インタビューの続きは本誌で…)

●あさのあつこさん
54年岡山県美作市生まれ。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリーII』で日本児童文学者協会賞、『バッテリーI〜VI』で小学館児童出版文化賞を受賞。歴史小説やミステリーにも活躍の幅を広げ、他の作品に『弥勒の月』『No.6』『地に埋もれて』『The MANZAI』など多数。3人の子どもを持つ母で、主婦業もこなしながら執筆活動をする。「淡々と流れる日常生活から自分が何を生み出せるかを、日々考えています」

  【 音楽 】
 

【 Soul電波 】
●クレイジーケンバンド 横山剣さん

アルバムのテーマである“考えるな、感じろ!”というメッセージを響かせる『プレイボーイ革命』、甘ずっぱい夏の焦燥感に駆られる『タオル』、タイの土着的音楽である“モーラム”のリズムを取り入れた『路面電車』など、濃密なアイデアをたっぷり込めた楽曲、全21曲を収録した9thアルバム。8月8日発売。3150円(アーモンドアイズ)


【インタビュー】

ファンキーなビートと個性の強いメロディを持った『てんやわんやですよ』(CX系テレビドラマ『今週、妻が浮気します』主題歌)のヒットで、存在感を改めて示したクレイジーケンバンド(以下、CKB)。9枚目のアルバムになる『Soul電波』は、ジャンルの垣根を超越した多彩なサウンドと、夏の情感をたっぷり漂わせた歌詞を本能の赴くままに混ぜ合わせた作品となった。テーマはずばり“考えるな、感じろ”だ。

「“考えない”ところに行き着くまでには悩んだりもするんですけど、こねくり回して考えてもロクなことがないんですよ。CKBの中でも人気のある曲は、何も考えずにサラッと出てきたものばかりなんです」
(インタビューの続きは本誌で…)

●横山剣さん
60年横浜市生まれ。81年にクールスRCのボーカリストとしてデビュー。その後、いくつかのバンドを経て、97年にクレイジーケンバンドを結成。ソウル、ジャズ、ロック、歌謡曲などを融合した音楽性によってマニアからの高い支持を獲得、02年のアルバム『グランツーリズモ』のヒットをきっかけにお茶の間レベルの人気を得る


  【 舞台 】
 

【 パルコ・プロデュース ミュージカル『キャバレー』 】
●俳優:森山未來さん

ナチスが台頭し始めた1929年のベルリン。場末のキャバレーを舞台に、抗えない時代の大きなうねりのなか、歌姫・サリーと青年作家・クリフの恋を描く。10月6日〜東京・青山劇場ほか、愛知、大阪で上演。台本/J・マステロフ、作曲/J・カンダー、作詞/F・エブ、演出/松尾スズキ、出演/松雪泰子、阿部サダヲ、森山未來ほか。問い合わせ 電話:03-3477-5858(パルコ劇場)www.parco-play.com


【インタビュー】

今や、人気、実力ともに若手俳優の中ではトップクラスといって差し支えないだろう。昨年の舞台『メタル マクベス』では、これまでにはないユーモラスな一面をのぞかせ、今年、『血の婚礼』では、官能的なダンスでほとばしるような情熱を表現し、その存在感を印象づけた。一歩ずつ、着実にキャリアを積み上げている森山未來さんが次に挑むのは、松尾スズキさん演出のミュージカル『キャバレー』だ。ナチス台頭下のベルリンで、キャバレーの歌姫・サリーと恋に落ちる米国人の駆け出し作家・クリフを演じる。

「演出が松尾さんだと聞いて、何の役をやるのかとか一切聞いてもいないうちに、何としてでも出たいと直訴したんです」
(インタビューの続きは本誌で…)

●森山未來さん
84年兵庫県生まれ。宮本亜門演出の舞台でデビューし、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』、テレビドラマ『役者魂!』など、幅広い分野で活躍。振付演出を手がけたダンスカンパニー・夢工房もだんみりぃの第4回公演『戦争わんだー』は8月24日〜、神戸・新神戸オリエンタル劇場、東京・シアター1010で上演