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      ◇◇ 2007年 9月のカルチャー情報 ◇◇

  【本】 いつか棺桶はやってくる/またたび峠
  【本】
  【音楽】 TODAY
 

【舞台】 cube presents『犯さん哉』

  【 本 】
 

【 いつか棺桶はやってくる/またたび峠 】
●小学館/各1680円

『いつか棺桶はやってくる』/研究所に勤める平凡な30男・内藤タダオは、妻の失踪を機に劇的な週末を送ることになる。妻が残したノート4冊分の数式、桁はずれの財力を誇る義父の正体。多くの謎に翻弄されタダオがたどり着く境地とは。『またたび峠』/江戸の紙問屋の一人息子ジスケは巨漢の猫・鮒丸がやってきてからというもの、両親は失踪、店は放蕩者の叔父に乗っ取られ…。運命に逆らえないジスケの一生を軽妙に綴る


【インタビュー】

『いつか棺桶はやってくる』と『またたび峠』を2冊同時に刊行した藤谷治さん。舞台となる時代も、物語の内容も全く違う2つの話でありながら、どこか不思議とリンクしているというコンセプトは、藤谷さんにとっても新たな試みだったのだとか。「『いつか〜』を書き終えた3〜4年前に、編集者から“小説を2冊同時に出したい”というオファーがあったんです。でも、続編を書くのは新鮮味がないから、別々の作品なのに、どこか根底でつながっているものを書こうと思った」

『いつか〜』では、理系会社員・タダオのかかわる研究が、国家的プロジェクトとして注目されるところから、タダオの毎日は制御不能の嵐に巻き込まれて行く。「平凡だと思っていた自分の仕事も、目を凝らして見れば、全世界とつながっている。タダオのように気がつけば殺人兵器を作っていた…なんてことは誰にでも起こりうるんです」

そんな『いつか〜』の執筆中に感じた“運命の不思議さ”を次作『またたび峠』でメインテーマに据えた。(インタビューの続きは本誌で…)

●藤谷治さん
63年東京都生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。10年間の会社員生活を経て、98年に本のセレクトショップ「フィクショネス」を下北沢でオープン。現在も経営を続ける。03年に『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』でデビュー。04年『おがたQ、という女』、05年『恋するたなだ君』と立て続けに作品を発表。「今は、小説を書くのが楽しくて仕方がない時期。ひとつ書き終えると次のアイデアが、連鎖反応のように浮かんでくるんです」

  【 本 】
 

【 黒 】
●扶桑社/1470円

02年発表の『声』で4部作『命』は終わる。約1年後、東氏の声で語られる『命』のもうひとつの物語『黒』が文芸誌で開始された。「実は『命』は5部作のつもりで『死』という巻を書く予定だったんです。ある意味、『黒』は『死』が反転した形かも。『黒』『白』『緑』の連作という構想は最初からありましたが、最初に浮かんだのは『緑』。彼が死んだのが初夏で、芽吹く緑を宇宙から地球の青を見るぐらいの遠さで感じた、その時のイメージです」


【インタビュー】

2000年、大ベストセラーとなった『命』。妻ある男性の子を宿した私と、がんに侵されたかつての恋人、生まれくる命と死にゆく命を満身創痍で記録した柳美里さんの私記は、多くの涙と感動を呼んだ。しかし、柳さん自身はその反響に、強い違和感を持っていたという。

「真実は、美談ではないんですよね。私が別の男の元へ走り朝帰りしたことで、彼ががん検査を受け損なった日があって、私が外泊しなければ、彼は今も生きていたかもしれない。その一夜は取り返しのつかない時間で、私の罪は重く、消えることはないのですから」

『命』を裏返したい、踏みつけたい―。そして生まれたのが連作小説『黒』だ。「真っ黒な罪の中に飛び込む気持ちで書きました」
(インタビューの続きは本誌で…)

●柳美里さん
68年神奈川県生まれ。高校中退後、演出家・東由多加率いる『東京キッドブラザーズ』に入団。東氏のすすめで文筆活動を始め、97年『家族シネマ』で芥川賞受賞。01年『命』で第7回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞受賞。近著に『月へのぼったケンタロウくん』『名づけぬものに触れて』。『黒』執筆時の3年間はうつでベッドにいることが多かったという柳さん。現在、7歳になった息子丈陽君と今付き合っている15歳年下の恋人と3人暮らし

  【 音楽 】
 

【 TODAY 】
●シンガー・ソングライター:アンジェラ・アキさん

『サクラ色』『孤独のカケラ』『たしかに』といったヒットシングルを含む2ndアルバム。作詞・作曲はもちろん、すべての楽曲でプロデュースを手がけることにより、よりリアルな空気が伝わってくる。許されない愛を描いたバラード『愛のうた』、“奪い取れ やり返せ”という強烈なメッセージをたたえた『乙女心』など13曲を収録。9月19日発売 3059円(エピックレコード)


【インタビュー】

ワシントンD.C.時代の思い出を綴った『サクラ色』、人を愛することの怖さと素晴らしさを描いた『孤独のカケラ』、“がんばっている人への応援歌”をテーマに掲げた『たしかに』。質の高いヒットシングルを次々とリリースしてきたアンジェラ・アキさんが、2枚目のアルバム『TODAY』を完成させた。

「『Home』は10年間を集約したものだったんですけど、今回は“いまの自分”を表現したくて。歌詞もほとんど、『Home』のリリースの後に書いたし、歌の内容もさらに具体的でパーソナルなものになってます」

“今日”の自分を真っすぐに描き出したい。そんな方向性を最も端的に示しているのがタイトル・チューンの『TODAY』。この曲の中で彼女は、「君と生きる 今日を祝福したいんだ」というメッセージを高らかに響かせている。
(インタビューの続きは本誌で…)

●アンジェラ・アキさん
77年徳島県生まれ。ワシントンD.C.に留学していた18歳の頃に音楽を志し、05年9月、27歳のときにシングル『HOME』でメジャーデビューを果たす。06年6月に発表した1stアルバム『Home』が60万枚というセールスを記録、12月にはピアノの弾き語りによる初の武道館公演を成功させ、その評価を確かなものにした

  【 舞台 】
 

【 cube presents『犯さん哉』 】
●女優:中越典子さん

以前から交流のある古田新太とKERAがタッグを組み、繰り広げるハチャメチャ舞台。10月6日〜東京・パルコ劇場、10月31日〜大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演。作・演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ 出演/古田新太、中越典子、犬山イヌコ、姜暢雄、大倉孝二、八十田勇一、入江雅人、山西惇 問い合わせ 電話:0570-00-3337(サンライズプロモーション東京)
公式HP www.cubeinc.co.jp/


【インタビュー】

中越典子さんにとって、この顔合わせはかなり冒険に近いはずである。俳優の古田新太さんと劇作家 ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)さんという、とても一筋縄ではいかないふたりが企画する舞台『犯さん哉(おかさんかな)』。タイトルからしてどこか不穏な空気漂う今作に、舞台出演2作目にして挑戦するのだ。

「KERAさんの舞台は、過激だけれど、どこか悲しさや愛があって心に残るものがある。以前から好きだったので、出演できるのはうれしいですね。でも、これまでやってきたことと違うものを求められると思うと緊張します。KERAさんからも“次の舞台はハードル高いよ”ってプレッシャーかけられているんですよ。事務所の先輩である古田さんは“今度、本当の笑いを教えてやる”と言ってくださってますから、とにかくついていくつもりでいます」
(インタビューの続きは本誌で…)

●中越典子さん
79年佐賀県生まれ。03年にNHK連続テレビ小説『こころ』のヒロイン役で注目を集め、以降、数々のテレビドラマや映画に出演。現在、NHK総合『陽炎の辻〜居眠り磐音江戸双紙〜』にレギュラー出演するほか、映画『夕凪の街、桜の国』が公開中。秋には初の主演映画『1303号室』公開など活躍は多岐にわたる