【インタビュー】
『いつか棺桶はやってくる』と『またたび峠』を2冊同時に刊行した藤谷治さん。舞台となる時代も、物語の内容も全く違う2つの話でありながら、どこか不思議とリンクしているというコンセプトは、藤谷さんにとっても新たな試みだったのだとか。「『いつか〜』を書き終えた3〜4年前に、編集者から“小説を2冊同時に出したい”というオファーがあったんです。でも、続編を書くのは新鮮味がないから、別々の作品なのに、どこか根底でつながっているものを書こうと思った」
『いつか〜』では、理系会社員・タダオのかかわる研究が、国家的プロジェクトとして注目されるところから、タダオの毎日は制御不能の嵐に巻き込まれて行く。「平凡だと思っていた自分の仕事も、目を凝らして見れば、全世界とつながっている。タダオのように気がつけば殺人兵器を作っていた…なんてことは誰にでも起こりうるんです」
そんな『いつか〜』の執筆中に感じた“運命の不思議さ”を次作『またたび峠』でメインテーマに据えた。(インタビューの続きは本誌で…)
●藤谷治さん
63年東京都生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。10年間の会社員生活を経て、98年に本のセレクトショップ「フィクショネス」を下北沢でオープン。現在も経営を続ける。03年に『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』でデビュー。04年『おがたQ、という女』、05年『恋するたなだ君』と立て続けに作品を発表。「今は、小説を書くのが楽しくて仕方がない時期。ひとつ書き終えると次のアイデアが、連鎖反応のように浮かんでくるんです」
|