【インタビュー】
本谷有希子さんの舞台には、いつも胸をザワつかせるものがある。作家自身、「題材として、性格の悪い人のほうが面白い」と言うように、作品に登場するのは、どこか歪んだキャラクターたち。そして、その過剰な自意識から愛憎入り乱れる人間模様が展開される。観客はそんな彼らを通じ、心の奥底に隠していた自身の自意識と向き合うことになる。そんな本谷さんが描く新作『偏路』は、なんと意外にも“ホームドラマ”なのだという。
「自分でもまさかホームドラマを書くとは思ってもいませんでした。ホームドラマといえば、どこかハートフルで心温まるイメージで、これまで自分が最も避けていたジャンル。今回はあえてそこに挑もうかなと」
本谷さんが描こうとしているのは、過剰なまでの善意の姿。「これまで、善意の裏にある悪意を表面化させることで、人間を立体的に書いたつもりになっていたんです。逆に善良な人を、薄っぺらなつまらない人と見なしてた。でもふと、善良な人の悪意を疑ってしまったりするほうが、実は薄っぺらい人間なのかもしれないとも思ったんですよね。それで、善意だけで立体的に人間を書くことはできないかと考えたのが今回の作品なんです」(インタビューの続きは本誌で…)
(インタビューの続きは本誌で…)
●本谷有希子さん
79年石川県生まれ。高校卒業後上京し、大人計画『ふくすけ』など女優として活躍。00年、専属の俳優を持たないプロデュースユニットの形で活動する「劇団、本谷有希子」を旗揚げし、自ら脚本、演出を手がけ始める。また、小説家としても活動しており、『生きてるだけで、愛。』(新潮社)では芥川賞候補にもなった
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