【インタビュー】
登場人物の何げない日常や、微細な感情を描くことで、時代のど真ん中からは少し距離を置いた生活に光を当てる山崎ナオコーラさんの新刊。主人公の「オレ」は、引っ越したばかりの町で知り合った美容師「エリ」に少しずつ惹かれる。ただし、この物語にはビビットな恋の駆け引きや、激しい感情のぶつかり合いは登場しない。触れては離れるような淡い感情の小波が、なんとなく始まり、そして過ぎていく―。
「恋という言葉はある意味とても暴力的。どんな感情でも“これは恋”と言えば言えてしまうけど、恋愛と友情の差って、実はあまりないような気がするんです。女友達とだって、時にはベタベタしたり、勝手に依存したり、期待したりしますよね。それは限りなく恋愛に近い。そんな曖昧な感情を小説にしたかった」
ドラマティックな展開はなくとも、この小説は決して平凡ではない。「桜の花はすごい。幻想の塊のようにボンボンと木に群がっている。オレはくらくらする」と、歌うように滑かな文章に、ぐいぐいと引き込まれていく。「一文一文を洗練させることには、すごくこだわっていますね。小説を書く前も映像的なシーンではなく、まず“書きたい文章”があるんです」
(インタビューの続きは本誌で…)
●山崎ナオコーラさん
78年福岡県生まれ。会社員として働きながら04年『人のセックスを笑うな』で、第41回文藝賞を受賞しデビュー。ロングセラーとなった同作品は映画化され、1月19日より、シネセゾン渋谷ほかにて全国ロードショーが決定。ほかの著書に『浮世でランチ』、エッセイ集『指先からソーダ』がある。「髪型はすぐ変えたくなるけど、髪型の説明が苦手なので、美容院は苦手。先日も前髪を切り過ぎました(笑)」
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