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      ◇◇ 2008年 2月のカルチャー情報 ◇◇

  【本】 短歌の友人
  【本】 風に顔をあげて
  【音楽】 『チェスト!』オリジナル・サウンドトラック
 

【舞台】 春琴

  【 本 】
 

【 短歌の友人 】
●河出書房新社/1995円

最近は自分を表現するコミュニケーションツールとしても注目されている短歌。その読み方には、ちょっとしたルールがある。それさえ分かれば、もっと深く短歌を楽しめるはず! エッセイストとしても人気の歌人が、与謝野晶子など近代の有名歌人から、現代の若手歌人の作品まで、短歌の「面白さ」がどこにあるかを分かりやすく紹介する。短歌の「面白さ」を通して、世界の「面白さ」に突き当たる、刺激的な歌論集!


【インタビュー】

千年以上前からコミュニケーションツールとして使われてきた短歌。なんとなくいいなぁと思う歌もあるけれども、具体的にどこがいいのかは分からないという人も多いのではないだろうか。穂村弘さんの『短歌の友人』は、知っているようで知らない短歌の「面白さ」に迫った、目からウロコの歌論集だ。23歳のときから歌を詠んできた穂村さんは「短歌には全くごまかしようのない自分が表れますね」と言う。どうしてだろう。

「なんでかな。分からないけれども、その人の本質が惹きつけるジャンルがあると思うんですよ。例えば俳句をやるのは、社長さんとか政治家が多い(笑)。恋をしている人は短歌が好き。それから天変地異が起こると、みんな短歌を詠む。そういう現象はあると思います」
(インタビューの続きは本誌で…)

●穂村弘さん
62年札幌市生まれ。歌人。歌集に『シンジケート』『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』他。エッセイ集に『世界音痴』『現実入門』など。穂村さんによると、日常のささやかな違和感に対する感度は女性のほうが高いらしい。「女子どもという存在は、社会の網の目からこぼれるものの代名詞だから。僕は男ですけど非常に女子ども的な部分があって、例えば株式会社の“株式”って何なのかぴんとこない。株式会社で総務課長やってたのにね(笑)」

  【 本 】
 

【 風に顔をあげて 】
●角川書店/1470円

主人公の風実(ふみ)は、25歳のフリーター。元気が取りえだが、最近「お気楽な女の子は、もうやれない」と思い始めた。自称ボクサーの彼氏との恋も雲行きは怪しいし、ゲイだとカミングアウトした高校生の弟と、被害者意識の強い母親の間に挟まれて…。仕事でも恋でも家族関係でも行き詰まっていた彼女が、様々な人に出会って、少しずつ突破口を見いだしていく。逆風の中でも、歩きだす勇気を与えてくれる物語


【インタビュー】

女の子でいられるのは何歳までなのだろう? 働く女性の悩みをリアルに、そしてユーモラスに描くことで定評がある平安寿子さん。最新作『風に顔をあげて』の主人公・風実は、25歳のフリーターだ。風実がだんだん「若い女の子」扱いをされなくなってきたと実感するところから物語は始まる。

「私はいま50代ですけれども、振り返ってみると一番、20代のときが苦しかったんですよ。社会に出て間もなくて、まだまだ経験値は低いんだけれども、そろそろ大人にならなきゃ、自分のポジションをつかまなきゃと思い始める。不安定な年頃なんですよね」
(インタビューの続きは本誌で…)

●平安寿子(たいら・あすこ)さん
53年広島市生まれ。デビュー作『素晴らしい一日』に収録された「アドリブ・ナイト」が韓国映画に。「2月に公開されますが、いい映画です。自分が原作者とは思えないくらい(笑)。それから、初めてのエッセイ集『セ・シ・ボン』(筑摩書房)も出ました。私が道に迷っていた26歳のとき、パリで過ごした3カ月間の思い出を書いています。次回作『こっちへお入り』(祥伝社より3月下旬発売予定)は落語を習う30代の女性が主人公です」

  【 音楽 】
 

【 『チェスト!』オリジナル・サウンドトラック 〜松下奈緒 オリジナルスコア 】
●演奏家、作曲家、女優:松下奈緒さん

作曲からオーケストラのアレンジまで手がけた“アーティスト・松下奈緒”の初のサウンドトラック。映画『チェスト!』の登場人物の個性、感情の流れをとらえた本作には、クラシックからポップス、ロックまで、彼女の音楽性が示されている。テーマ曲『流れる雲よりもはやく』の映画バージョンも収録。2月27日発売3059円(エピックレコード)


【インタビュー】

女優でありながらピアニスト、歌手としても活躍する松下奈緒さん。3月公開予定の映画『チェスト!』ではピアノ演奏・サウンドトラック・主題歌・出演の“4役”を担当している。

「映画のサントラを担当するのは初めて。私にとってひとつの夢でもあったし、うれしかったです。話をいただいたときは“ホントにできるのかな?”という不安もありましたけどね。子どもたちが遠泳大会を通じて大きく成長するストーリーで、私の役柄は、小学校の先生。だからこそ“しっかり愛情を込めた音楽を作らないといけない”っていうプレッシャーもあったので」

「登場人物たちの性格、感情をしっかり表したい」という思いからスタートした曲作りは、撮影を経てさらに深まっていったという。また、初めてオーケストラのアレンジを手がけるなど、ミュージシャンとしてのトライも多かったとか。
(インタビューの続きは本誌で…)

●松下奈緒さん
85年兵庫県出身。3歳からクラシックピアノを始め、現在は東京音楽大学ピアノ科に在学中。04年、テレビドラマ『仔犬のワルツ』で女優デビュー。06年、1stアルバム『dolce』を発表。さらに07年には『Moonshine〜月あかり〜』でシンガー・デビューを果たすなど活動は多様。『チェスト!』他4月公開の映画『砂時計』に出演


  【 舞台 】
 

【 春琴 】
●女優:深津絵里さん

マクバーニー氏が温めてきた題材の谷崎潤一郎作品を、彼が率いる劇団コンプリシテと世田谷パブリックシアターの共同制作で形に。2月21日〜世田谷パブリックシアターで上演。ロンドン公演も予定。演出/サイモン・マクバーニー 出演/深津絵里、チョウソンハ、ヨシ笈田ほか問い合わせ 03-5432-1515(世田谷パブリックシアターチケットセンター)


【インタビュー】

数日前に、1カ月近く滞在していたロンドンから帰国したばかりの深津絵里さん。英国へは、今回出演する舞台の準備のため。その舞台とは、谷崎潤一郎の名著『春琴抄』と『陰翳礼讃』をモチーフに、イギリス人演出家のサイモン・マクバーニー氏が手がける『春琴』のこと。

「ロンドンでは稽古というより、イメージを模索するワークショップが中心でした。題材となる作品を皆で読んで、それについて話し合いをしながら作品への理解を深めたり、グループに分かれて、テキストに書かれている事柄を体や音を使って表現したり。サイモンさんが長年温めていたビジョンを、いろんな形で試しながら探っていく作業でした」
(インタビューの続きは本誌で…)

●深津絵里さん
73年大分県生まれ。主な作品に、ドラマシリーズ『踊る大捜査線』や映画『博士の愛した数式』など。『キル』『桜の森の満開の下』『あわれ彼女は娼婦』など舞台にも精力的に参加。『博士の愛した数式』では日本映画批評家大賞の主演女優賞を受賞。6月には出演映画『ザ・マジックアワー』(三谷幸喜監督)が公開に