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      ◇◇ 2008年 4月のカルチャー情報 ◇◇

  【本】 こうふく みどりの/こうふく あかの
  【本】 とける、とろける
  【音楽】 aikoさんの『秘密』
 

【舞台】 演劇大宮エリー第一回公演『GOD DOCTOR』

  【 本 】
 

【 こうふく みどりの/こうふく あかの 】
●小学館/1365円、1260円

14歳の緑が語るストーリーと、謎の女、棟田さんの物語が絡み合う『みどりの』。セックスレスの妻から妊娠を告げられる中間管理職の男の話と、無敵のプロレスラーの闘いの物語が綴られる『あかの』。それぞれの物語が響き合い、リンクしていく『こうふく』二部作。「『みどりの』は中学生が使うベタな大阪弁にひと苦労。『あかの』は男の人物像も全くの想像で、誰も使わないようながっちがちの東京弁で自由に書きました」


【インタビュー】

『こうふく みどりの』『こうふく あかの』。色違いの双子のような2冊の本は、西加奈子さんが2カ月連続で発表した最新作。全く別の物語が、思わぬところでつながっていく不思議な小説だ。

「私、“一方そのころ” って、好きなんですよ。例えば、今、私たちがこうして話している間も、窓の向こうでは全然違うことが起こってる。その同時に起きている感じが、どこかで誰かとつながっているようで、すごくワクワクする。そんな感覚を、表現できたらなと思いました」

14歳の緑の視点で綴られる『みどりの』は、大阪の下町が舞台。未婚で緑を産んだ母、夫が失踪中の祖母、暴力夫から娘を連れて逃げてきたいとこ。女ばかりの緑の家族はみんな訳アリだが、したたかでしなやかで、悲壮感などみじんもない。
(インタビューの続きは本誌で…)

●西加奈子さん
77年イラン生まれの大阪育ち。ライター業の傍ら、喫茶店を経営しているときに小説を書き始め、04年『あおい』でデビュー。05年『さくら』がベストセラーに。以後、『きいろいゾウ』『しずく』など多数作品を発表。『通天閣』で07年度織田作之助賞受賞。「自意識が邪魔して書けなくなるときがあります。それをパンって、はねのける作業がしんどい。でもあんまりうつうつとしていると、“うわっ、暗っ!”って、自分で笑っちゃう。そこは私の強みかな」



  【 本 】
 

【 とける、とろける 】
●新潮社/1470円

誰もがうらやむ家庭と好きな仕事を手に入れた女が、セックスの相性がぴったりの男と出会ってしまったためにつまずく「永遠の片割れ」、会社では今どき珍しいダサいおばさんだと思われている女の秘密の生活「スイッチ」、孤独な女が夢の中だけで得た幸福を幻想的に綴る「夜の舌先」など、全9編を収録。性的な快楽を求めて、現実と妄想、正気と狂気、生と死の境界を越えてしまう9人の女性を描いた、著者初めてのエロティック短編集


【インタビュー】

初のエロティック短編集『とける、とろける』を上梓した唯川恵さん。本書の収録作のうち「夜の舌先」を書いたことが、官能をテーマにした作品群が生まれるきっかけとなったのだそう。

「エロティシズムを意識した短編を、という依頼をいただいて『夜の舌先』を書いてみたら楽しかったんですね。セックスに至る前の女性の複雑な感情を描くときは悩むんですけど、セックスそのものになると、動物的な部分を思い切ってむき出しにできるというか。“次はどんな形にしよう?”とか、体育会系のノリで書けたので(笑)」

「夜の舌先」の主人公は、いつのまにか“ただそこにいるだけの、時にはいることさえ忘れさられている、会社の備品のような女”になってしまった30代の会社員。彼女は旅先で、他人と夢を共有できる不思議な香炉を買い、密かに思いを寄せる年下の男とめくるめく逢瀬を繰り返すが…。現実と妄想、正気と狂気、生と死がまさに“とける、とろける”一編だ。
(インタビューの続きは本誌で…)

●唯川恵さん
55年金沢市生まれ。銀行勤務などを経て小説家デビュー。02年、『肩ごしの恋人』で直木賞を受賞。その著書には女性の生き方に関するヒントがいっぱい。本書収録の「夜の舌先」の主人公は“勘違いする女にだけはなりたくなかった”という。「私も同じ。でもその時点で勘違いしてたんだよね。仕事ばかりしていた30代のころは“私はこう見えて家庭的”と思っていたのに、実際に結婚したら全く家庭的じゃなかった(笑)。ないものねだりをしていたんですね」

  【 音楽 】
 

【 秘密 】
●シンガー・ソングライター:aikoさん

シングル『シアワセ』『星のない世界』『横顔』『二人』を収録した8thアルバム。疾走感のあるビートのなかで“好き”という純粋な気持ちを響かせる『You&Me both』、ふたりだけの儚くも愛おしい瞬間を描いた『秘密』、ダイナミックなロックサウンドが楽しめる『星電話』、美しいメロディーが聴く者を包み込む珠玉のバラード『ウミウサギ』など13曲を収録。発売中 3059円(ポニーキャニオン)


【インタビュー】

繊細で温かい手触りを持った恋愛ソングによって、20〜30代の女性を中心に圧倒的な支持を得ているaikoさんが、1年8カ月ぶりとなるニューアルバムをリリース。『二人』『星のない世界』『横顔』『シアワセ』などのシングル曲を含むこの作品には、『秘密』というタイトル通り、心の内側にある深い思いがダイレクトに映し出されているとか。

「自分のなかの“陰(いん)な部分”っていうか、普段はプライドが先走って言えないようなことも、しっかり曲に出来たんじゃないかなって。私のなかにある秘密のカケラみたいなものが、たくさん入ってるアルバムだと思います」

98年のデビューから10年。自らの経験、そしてそこで生まれた様々な感情がもとになっている彼女の楽曲には決してウソがなく、より豊かな広がりを見せている。
(インタビューの続きは本誌で…)

●aikoさん
75年大阪府生まれ。シンガー・ソングライター。98年シングル『あした』でメジャーデビュー。ロック、ソウルミュージックをベースにしたサウンドと生々しい感情を伝える楽曲で人気を獲得、『花火』『カブトムシ』(99年)、『ボーイフレンド』(00年)などのヒット曲を生み出す。5月からツアー「aiko Live Tour Love Like Pop Vol.11」がスタート

  【 舞台 】
 

【 演劇大宮エリー第一回公演『GOD DOCTOR』 】
●俳優:片桐仁さん

放送作家としてNHK総合『サラリーマンNEO』などを手がけるほか、映画『海でのはなし。』を監督するなど、幅広い活動を続ける大宮エリー初の舞台演出作品。5月4日〜18日東京・新国立劇場、5月22日〜23日兵庫県立芸術文化センターで上演。作・演出/大宮エリー 出演/片桐仁、石田ひかり、松村雄基、遠山景織子、山下真司、板尾創路 問い合わせ 03-5411-0855(ハウフルス)


【インタビュー】

舞台の上に立っているだけで、思わず目を引く強烈な存在感。ラーメンズとして活動すると同時に、近年は役者として、映像に舞台にと引っ張りだこだ。

「もともと(小林)賢太郎の書くラーメンズのコントって演劇的な要素があるだけに、お芝居には抵抗なく取り組めていると思います。とはいえ、役作りとかって、あんまりちゃんと考えたことがないんです。う〜ん、やっぱり考えてないといけないんですよねぇ…」

とまあ、片桐仁さんご本人はこんな調子。それでも、彼が演じると、役はそこはかとないおかしさと、朴訥とした人間的な味わいが醸し出されるから不思議。そんな片桐さんに今回目をつけたのが、数々のヒットCMや人気テレビ番組を手がけるクリエイターの大宮エリーさんだ。
(インタビューの続きは本誌で…)

●片桐仁さん
73年埼玉県生まれ。美術大学在学中に小林賢太郎とラーメンズを結成し、舞台公演を中心に活動。チケットは毎公演即完売と人気。最近では、エレキコミックと組んでエレ片としても活動するほか、ドラマ『SP』や舞台『からっぽの湖』など役者としても活躍。また、粘土造型を得意とし、彫刻家として作品集の出版や、多くのエッセイ連載を持つ。