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      ◇◇ 2008年 5月のカルチャー情報 ◇◇

  【本】 走ル
  【本】 みにくいあひる
  【音楽】 “YES”rhyme-dentity
 

【舞台】 東京グローブ座公演『第17捕虜収容所』

  【 本 】
 

【 走ル 】
●河出書房新社/1260円

夏休み明けの試験が終わり、午前中で下校したある日。僕は物置で緑のロードレーサー、ビアンキを発掘する。その自転車で学校に行った僕は、そのまま授業をさぼって北へ。八王子、皇居、秋葉原、埼玉、栃木、福島、山形、秋田、青森、そして岩手へ。僕はひたすら走る。付き合っている彼女やちょっと気になる幼なじみと携帯メールをやりとりしながら。21世紀日本版『オン・ザ・ロード』と評された文藝賞作家の青春小説


【インタビュー】

17歳で文藝賞を受賞した新進気鋭の作家であり、4月から、新入社員として働き始めた羽田圭介さん。いわば大学卒業記念作品ともいえる最新刊が『走ル』だ。実は本書の原型は、デビュー作の前に初めて書いた小説なのだそう。「2作目を出して、次に何を書こうか考えていた大学3年生の時に読み返して。すごく稚拙だけど、何の制約もなく自由に書いていると思ったんです。勢いのある感じはそのままに、今の力で書き直してみました」

本書はたまたま自宅でスポーツ用自転車を発見した高校生が、授業をさぼり北へ向かって走るロードノベル。羽田さんも自転車が好きで、高校卒業前に埼玉から北海道の宗谷岬まで一人で旅した。「高校生のときに実行するとハクがつくでしょう、と(笑)。文藝賞に応募したこともそうですけど、あのころはいろんなことに早く到達したかったんですよね」
(インタビューの続きは本誌で…)

●羽田圭介さん
85年生まれ。03年、17歳のとき『黒冷水』で文藝賞を受賞。他の作品に『不思議な国のペニス』がある。3月に明治大学を卒業し、一般企業に勤めながら小説を書き続けていく。若くしてデビューしたことについて「華やかなことは何もなかったです(笑)。一長一短だと思います。メリットは、編集者の方が皆さん年上なので、気軽にダメなところを指摘してくださること。デメリットは、お笑い芸人のように常に小説のネタを探してしまうことですね」

  【 本 】
 

【 みにくいあひる 】
●文藝春秋/1650円

映画ライターの志津と、10歳上で妻子持ち映画監督との出口の見えない関係を描いた『カントリーガール』など、名前にシズという音を持つ6人の女性たちの6つの物語。都会に暮らし、ままならぬ現実にもがきながら、自分の足で立って生きていこうとするヒロインたちのそれぞれの物語が、どこかで通じ合い、大きな流れを紡ぎ出す連作短編集。「描きたかったのは、恋愛でも親子愛でもなく、名前のつけられない不可思議な関係」


【インタビュー】

都会で働く女性たちを主人公に、6つの短編を描いた谷村志穂さんの新作『みにくいあひる』。6人のヒロインたちはWOMAN読者と同世代だ。「目指している場所と自分が今いる場所に、何かしらのギャップがあるのが20〜30代。仕事で成功しても心地良いものではなかったり、進むべき道が見えてきたと思ったら体調を崩したり、妊娠・出産の問題が迫ってきたり。働く女性にとって普遍的なテーマが、結果としてモザイクのようにちりばめられているのね」

将来に漠たる不安を抱えながら、6人の女たちはそれぞれ男を求めるが、男たちはけっこう身勝手で…。

「こんなもんでしょ、男の人って(笑)。最近は、何でも勝ち負けで判断するのがはやってますけど、私にはそういう感覚はないんです。特に恋愛は、何が勝ちで負けか分からないですよね。結局、男女が出会うことって、いちばんの退屈しのぎだと思うんですよ。自分で生活ができて、多少の力仕事ができても、女だけじゃ退屈。人は、不思議にそうできているでしょ」
(インタビューの続きは本誌で…)

●谷村志穂さん
62年札幌市生まれ。北海道大学で応用生物学を専攻。大学卒業後、出版社勤務を経て、90年ノンフィクション『結婚しないかもしれない症候群』を発表、脚光を浴びる。以後、数々の小説作品を発表。03年、郷里の北海道を舞台にした小説『海猫』で島清恋愛文学賞を受賞、映画化されベストセラーに。近著に『黒髪』『雪になる』など。「書くことに行き詰まったら、散歩したり、ふて寝したり(笑)」

  【 音楽 】
 

【 “YES”rhyme-dentity 】
●ミュージシャン:LITTLEさん

シングル『ワンマンショウ』『夢のせい』を含む通算3枚目のソロアルバム。MICRO(HOME MADE家族)、SMALLEST(トリカブト)、SHOGO(175R)らをフィーチャーした『Gradation』、NO.1女性ラッパーの評価も高いCOMA-CHIとの掛け合いによるラブソング『FREE STYLE 男女』、ビッグ・バンド・ジャズのテイストを取り入れた『SingSing Sing』など、多彩な楽曲を収録。5月7日発売 3059円(BMGジャパン)


【インタビュー】

04年に活動休止したKICK THE CAN CREWのメンバーとして大ブレイク。豊かなストーリー性と心地いいグルーヴを兼ね備えたリリック(歌詞)によって日本のヒップホップ・シーンに大きな影響を与えてきたLITTLEさんが、ソロデビュー10周年を記念するニューアルバム『“YES”rhyme-dentity』を発表。前作『LIFE』(05年)からの2年間で、より正直に音楽と向き合えるようになったという。

「“こういう感じがウケるんじゃない?”っていう、ご機嫌伺いのような曲の作り方はしなくなりましたね。ラップにしても、スタイルとしてのカッコよさを気にしなくなったし。自分が言いたいこと、取り上げたいトピックだけを曲にしていけた」

10年の活動を経てたどり着いた、ラッパーとしての確信。それは“レーゾンデートル”(存在価値)をテーマにした『YES!!〜a raison d'tre〜』という楽曲にも力強く描かれている。
(インタビューの続きは本誌で…)

●LITTLEさん
76年東京都生まれ。98年ミニアルバム『いいの』でソロデビュー。同年、KREVA、MCUと共にKICK THE CAN CREWを結成、メジャーシーンでのブレイクを果たす。04年、KICK THE CAN CREWの活動休止に伴い、ソロ活動を再開。05年、アルバム『LIFE』を発表。人気アニメ『おでんくん』に声優として出演するなど、幅広い分野で活躍

  【 舞台 】
 

【 東京グローブ座公演『第17捕虜収容所』 】
●俳優:三宅健さん

ブロードウェイで初演されて評判を呼んだ後、鬼才ビリー・ワイルダーが映画化して絶賛された名作。5月19日〜6月8日東京グローブ座で上演。6月13日〜15日には大阪公演もあり。台本/飯島早苗 演出/鈴木裕美 出演/三宅健、田中幸太朗、斎藤洋介、袴田吉彦ほか 問い合わせ0180-993-888(テレドーム・24時間テープ案内)


【インタビュー】

第二次世界大戦中のドイツのアメリカ人捕虜収容所に、ドイツ軍のスパイがいるという噂が囁かれ始める。嫌疑をかけられたのは、シニカルな発言で仲間たちから疎まれていたセフトン。疑われた彼は、本当のスパイ探しに躍起になるが…。息詰まる心理戦による人間ドラマやサスペンス的要素が組み込まれた名作『第17捕虜収容所』。このセフトンに挑むのが三宅健さんだ。

「人間模様が面白い作品だと思います。僕、キャスティングの時点で、ある意味、演出って始まっていると思うんですが、今回のキャストは、全員が一度も共演したことのない方々ばかり。作品自体も、アメリカ兵捕虜でも知らない者同士の集団の話ですから、同じ環境といえなくもない。そんな役者同士の関係性が、お芝居の中にうまく生かせていけたらいいなと思っています」
(インタビューの続きは本誌で…)

●三宅健さん
79年神奈川県生まれ。95年に『MUSIC FOR THE PEOPLE』でV6としてデビュー。現在、『学校へ行こう!MAX』(TBS系)や『VivaVivaV6』(CX系)にレギュラー出演中。5月28日にはニューシングル『蝶』のリリースが控える。舞台は、2000年の『二万七千光年の旅〜世紀末の少年〜』で初主演。以降、定期的に出演している