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      ◇◇ 2008年 9月のカルチャー情報 ◇◇

  【本】 婚礼、葬礼、その他
  【本】 夫婦の格式
  【音楽】 TIME
 

【舞台】 彩の国シェイクスピア・シリーズ第20弾『から騒ぎ』

  【 本 】
 

【 婚礼、葬礼、その他 】
●文藝春秋/1200円

ヨシノは連休に屋久島旅行に行くはずだったが、大学の友人の結婚式に招待され、仕方なくキャンセル。スピーチと2次会の幹事も引き受ける。ところが当日、披露宴が始まる直前に会社の上司の父親が亡くなり、急きょ斎場へ向かうことに。同じ日に婚礼と葬礼の両方に呼ばれてしまった主人公の心理をコミカルに描く。第139回芥川賞候補作。ある事故の背景を様々な人の視点を通して浮かび上がらせる『冷たい十字路』を併録


【インタビュー】

婚礼と葬礼は、呼ぶほうも呼ばれたほうもおそろかにはできない。人生の二大行事だ。もしその両方が同じ日にぶつかってしまったら? 芥川賞候補作に選ばれた津村記久子さんの『婚礼、葬礼、その他』は、そんな状況に置かれた主人公・ヨシノの激動の一日を描く。着想の発端は、友人の体験。

「以前、音楽フェスティバルの最中に、一緒に行った友だちの上司のお父さんが亡くなったという連絡があったんです。友だちは悩んだ挙句、お通夜に出るために途中で帰ったんですよ。そのことを、私は根に持っていて(笑)。“顔も知らない人のためになんで?”と」

どこにいようが有無を言わせず人を召喚する葬礼。ヨシノはなんと友人の結婚式に出席していたときに上司の親族の通夜に呼ばれた。空腹を我慢して急いで斎場に駆けつけると、故人の愛人のケンカに巻き込まれたり、次々と理不尽な出来事に遭遇するところが笑える。また、誰かの死が周囲の人に与える意外な影響も考えさせられる。実は、津村さんが作家を目指したのも、祖母の死がきっかけだったという。
(インタビューの続きは本誌で…)

●津村記久子さん
78年大阪府生まれ。大谷大学卒業。05年『マンイーター』(『君は永遠にそいつらより若い』と改題)で太宰治賞を受賞し、デビュー。モテない女の子の気持ちをリアルに描くことでも定評がある。「自分がそうなので、よく知っているし面白く描けると思う。あと世の中にはモテないことに対するセーフティーネットがない気がして(笑)。例えば雑誌はモテろというけど、モテなかったときのことは言ってくれない。だから私が書こうというのもあります」

  【 本 】
 

【 夫婦の格式 】
●集英社/735円

ホームドラマの名手として数多くの脚本を手掛けながら、夫の前では決して原稿用紙を広げず主婦に徹した著者の夫婦論。晩婚化が進む一方で離婚率は急増、家族崩壊が社会問題になっている今、男女の在り方を大いに考えさせられる一冊。「私はこれまで、その時の自分の年でしか書けないものを書いてきましたが、この本も83歳の私の目で見た結婚の理想と現実です。パートナーとの関係を見直すきっかけになればうれしいです」


【インタビュー】

脚本家・橋田壽賀子さんが新書を刊行。その帯に書かれた言葉にまず驚く。“夫婦の間では男女平等はありえない”―。

「男女にはそれぞれ役割があり、家事・育児は女の大事な仕事です。私も家のことはすべてやっていました。仕事を優先し、家事をおろそかにするなら、結婚しないほうがいい」

保守的にも聞こえるが、本書を読めばそれは皮相的なとらえ方だと分かる。この本は男という生き物を理解し、互いに支え合っていくための心得書なのだ。

「結婚後も働くなら夫の理解が不可欠。権利ばかり主張しないで、一緒に力を合わせてやっていくことを考えるべきです。女の出方次第で男は変わるもの。仕事をさせてもらっていることに感謝し、家事も一生懸命しますという姿勢を見せていれば、男の人も自然に手伝おうかって気になるものなの。私は年中、感謝の言葉を夫に伝えていました。口で言うのはタダですから(笑)」
(インタビューの続きは本誌で…)

●橋田壽賀子さん
25年京城(現・ソウル)生まれ。日本女子大学卒業後、早稲田大学に入学、中退し、松竹に入社。その後フリーの脚本家に。世界的に反響を呼んだ『おしん』、現在も続編が制作され続けている『渡る世間は鬼ばかり』など、数多くのヒット作を生み出す。多忙な橋田さんの健康維持の秘訣は50歳から始めた水泳。「毎日午前中に800m泳いで、午後は机に向かって一日10枚原稿を書きます。忙しくて本を読む暇はあまりないのですが、新聞は隅から隅まで読みます」

  【 音楽 】
 

【 TIME 】
●ミュージシャン:MONKEY MAJIKさん

シングル『Together/あかり/Fall Back』『あいたくて/MORNING-EVENING/goin'places』『ただ、ありがとう』を含む5thアルバム。ロック、ソウル、R&B、ヒップホップ、エレクトロなどを自在に取り込んだバンドサウンド、美しく練られたメロディーのバランスが素晴らしく、彼らが目指す“ユニバーサルな音楽”がしっかりと表現されている。発売中 2500円(binyl records)


【インタビュー】

昨年リリースされたアルバム『空はまるで』が35万枚を超えるヒット。洋楽のテイストとJ-POPとしての親しみやすさを兼ね備えた音楽性で、トップバンドの仲間入りを果したMONKEY MAJIKから、新作『TIME』が届けられた。

「アルバムを制作する前から“TIME”というテーマを決めてたんです。メロディーや曲の雰囲気から思い付いた言葉なんだけど、今僕たちが感じていることをうまく表してるんじゃないかな」(Maynard)

「『WEEKDAY』『MORNING-EVENING』。“TIME”と関係してる曲も多いんだよね」(Blaise)

「現在を一生懸命に生きていれば、未来はきっと良くなっていくし、過去もいい思い出になる。歌詞を書くうえで、そんなこともよく考えてましたね」(tax)

レゲエ、ラテンなどのリズムがミックスされた『BROKE DOWN』、オルタナティブロックの要素を感じさせる『Bicycle』、ノスタルジックなメロディーが胸を打つ『美しい想い出』など、さらに幅を広げたサウンドも印象的。
(インタビューの続きは本誌で…)

●ミュージシャン:MONKEY MAJIKさん
Maynard(ボーカル/ギター)、Blaise(ボーカル/ギター)のカナダ人兄弟、tax(ドラム)、DICK(ベース)によるロックバンド。03年頃から地元・仙台を中心に人気となり、シングル『Around The World』(06年)のヒットによって全国的なブレイクを果す。『輝く夜』(CHEMISTRY)、『そのまま』(SMAP)など、他アーティストへの楽曲提供も

  【 舞台 】
 

【 彩の国シェイクスピア・シリーズ第20弾『から騒ぎ』 】
●俳優:高橋一生さん

シェイクスピア喜劇の傑作。高橋さんは、小出恵介さん演じる若き貴族ベネディックと喧嘩交じりの恋を展開するビアトリス役に。10月7日〜23日埼玉・彩の国さいたま芸術劇場大ホール、10月31日〜新潟、11月7日〜愛知、11月14日〜大阪で上演。作/W・シェイクスピア 演出/蜷川幸雄 翻訳/松岡和子 出演/小出恵介、高橋一生、長谷川博己、月川悠貴ほか 問い合わせ 048-858-5511(彩の国さいたま芸術劇場)


【インタビュー】

今から400年前のシェイクスピアの時代、イギリスでは役者は男性だけに許されたものだったという。当然、女性の役を演じるのも男性。そんな当時のスタイルを踏襲し、シェイクスピアの戯曲を上演するのが演出家・蜷川幸雄さんが手がける“オールメール・シリーズ”だ。その第4弾となる『から騒ぎ』では、高橋一生さんが女性役に扮する。

「何より、僕が女役をやって気持ち悪く見えないかが一番の気がかりですね。だから今回は、歌舞伎のように女性よりさらに女性らしく見える“型”をある程度勉強して臨まないといけないのかな、と思っています。もちろん、感情を理解して役を作っていくことも重要。シェイクスピア作品は、心の機微や喜怒哀楽が効果的に、リアルに、かつ分かりやすく描かれていますから、女性心理に関しても戯曲から探っていきたい。課題は、そこに描かれている余白や遊びの部分を読み取って、シェイクスピアの書いた女性像をいかに具現化していくかですね」
(インタビューの続きは本誌で…)

●高橋一生さん
80年東京都生まれ。10歳の頃からテレビや映画などで活躍。舞台出演も多く、本谷有希子演出『ファイナルファンタジックスーパーノーフラット』や渡辺えり演出『瞼の母』などで注目される。現在、テレビドラマ『ゴンゾウ〜伝説の刑事』(テレビ朝日系)、公開中の映画『デトロイト・メタル・シティ』(全国東宝系)に出演している